“月間25GB”に根拠あり? ソフトバンクとの関係は?――Netflixプロダクト最高責任者に聞くKDDIとの提携(4/4 ページ)
au(KDDI・沖縄セルラー電話)が「auフラットプラン」と「Netflix」「ビデオパス」がセットになった新プランを発表した。Netflixにとっては米国外では初めての“バンドルプラン”にはどのような狙いがあるのか。同社のプロダクト最高責任者を務めるグレッグ・ピーターズ氏に話を聞いた。
視聴デバイスについて
―― 「ドコモテレビターミナル」(Huawei製)など、Neflixを視聴できないAndroid TVデバイスが一部に存在する。Androidスマホ・タブレットと同じように「アプリをインストールすれば見れる」と思って買ったユーザーにとっては、ショックの大きいことだと思う。この問題は解決できるのか。
(筆者注:ドコモテレビターミナルは、Netflixアプリをダウンロードできるのに起動できない。他にもNetflixアプリを利用できないAndroid TVデバイスは複数存在する)
グレッグ氏 Android TVには、Googleのジェネリックなプラットフォームを活用して対応している。
さまざまなメーカーがAndroid TVを使うスマートテレビやSTBを開発しているが、確かにNetflixアプリに対応しないAndroid TVデバイスは存在する。
ドコモテレビターミナルに関しては、ドコモから(対応に向けた)話が来ていない。私たちとしては、対応に向けた話をしたいと思っている。
―― 多くのデジタルテレビに「Netflixボタン」が付くようになった。その経緯や効果について、話をできることがあったら聞かせてほしい。
グレッグ氏 テレビのNetflixボタンは、先ほどから話している「より早く簡単に」という観点とつながる取り組み。ユーザーにとって利益になるものだから、メーカーを説得できたのだと考えている。
―― 日本国内でもスマートスピーカーが普及し始めた。そのことが日本のNetflixユーザーに何か影響を与えているか。
グレッグ氏 動画と直接のつながりはないので、直接的な影響があるとは認識していない、。
ただし、パートナーからは「ボイスコントロールをもっと取り入れたい」という声をいただくことはある。これから数年の間で、(ボイスコントロールについては)実験的に取り組んでいきたいと考えている。
ライバルは「ユーザー」?
―― 今回のauのプランでは、KDDIの動画配信サービスである「ビデオパス」もバンドルされている。ある意味でNeflixにとっての「ライバル」だ。
Netflixにとって、他の動画配信サービスについてどういう意味を持ち、どういうサービスがライバルとなるのか。
グレッグ氏 通信業界での顧客獲得はライバルから顧客を奪うことであり、ある意味で「ゼロサムゲーム」となっている。一方で動画配信サービスは、自由な時間を過ごす際の選択肢の1つということになる。
そのような観点から、私たちとしては競合他社にはあえてフォーカスを当てないようにしている。むしろ、大切にしなければいけないのはユーザーに価値のあるものを提供できているかどうか。見やすく、見るに値する質の高いコンテンツを届けたい。なので「Netflixだけを使ってほしい」とは思っていません。
「Netflixを見ていて良かった」と思ってもらえて、他の人と話で「Netflixでこんな番組を見たよ」と話題にしてもらえるようなものでありたいです。
―― ということは、ビデオパスがバンドルされることは拒絶するまでもなかったのということか。
グレッグ氏 ビデオパスはコンテンツ的にほぼオーバーラップ(重複)していない。
Netflixが求めているのは「見たい時にその瞬間を勝ち取ること」だが、そのような観点でビデオパスがあるから傷付く(目的を達せない)とは考えていない。
―― 一部のコンテンツをau限定で先行配信するなど、auユーザーが喜ぶこと(限定特典)は考えているのか。
グレッグ氏 私たちは日本や世界のユーザー全員に満足してもらえる“幅広い”コンテンツを考えている。
auを通してNetflixに入会する人も、その他の経路から入会した人も、ともに満足してもらえるようにしたい。入会経路で(コンテンツ面を)限定することようなことは考えていない。
―― では、KDDIと協力して日本から世界向けにコンテンツを届けることは考えられるのか。
グレッグ氏 今現在具体的な話はしていない。
KDDIは映画などの「製作委員会」に参加することもある。ある作品の製作委員会にKDDIと私たちが参加するなど、そういう関係性はあり得るかもしれない。
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