放射線量やアルコール臭、体脂肪を測れるジャケット――NTTドコモ:CEATEC JAPAN 2011
センサーをスマートフォンに内蔵するのではなく、外付けのジャケットを装着して計測する。ドコモの「着せ替えセンサジャケット」では、そんな取り組みが進められている。
NTTドコモが同社ブースで、各種センサーを内蔵したスマートフォン向け「着せ替えセンサジャケット」を展示している。ジャケットは放射線センサー、UVチェッカー・口臭/アルコールチェッカー、体脂肪計を内蔵した3種類。いずれもスマートフォンにジャケットを装着し、専用のアプリを立ち上げることで計測できる。センサーを使った機能のニーズはユーザーによって異なるほか、端末に内蔵すると価格が上がることから、外付けのジャケットという形で開発した。
説明員によると、センサー付きジャケットの開発は2010年から進めていたが、放射線センサー付きジャケットについては、東日本大震災を受けて開発されたという。アプリを起動して測定を開始すると、1時間あたりの放射線量が表示される。単位はマイクロシーベルト(μSv/h)。「安定して計測できるまでには2〜3分かかる」(説明員)とのこと。測位した場所の現在地を取得し、地図上にアイコンで表示することも可能で、測った日時と場所を履歴から手軽に確認できる。計測したデータをSNSやメールで共有する機能も実装可能。ジャケットがやや大きいのが気になるが、「センサーが大きいほど安定して計測できる」ので、サイズ感と測定精度のバランスが難しそうだ。
UVチェッカーと口臭/アルコールチェッカーは1つのジャケットで利用できる。アプリを起動し、センサー部分に太陽光を当てると紫外線量、息を吹きかけるとアルコール臭や口臭のレベルを調べられる。デモで試したところ、計測のスピードは2〜3秒で速かった。
体脂肪計付きジャケットには、販売されている大和製衡の製品を使っており、高い精度で計測できるという。ジャケットの側面に2つずつ電極を備えているのが特徴。年齢、身長、体重などのデータを入力して「測定開始」をタップ後、計4つのうち2つの電極に触れ続けていると、体脂肪率と筋肉率が表示される。測定結果をグラフなどで管理できるのは、スマートフォンならではだろう。
データを測定して端末に送信するための通信にはFeliCa(iC通信)を利用している。したがって今回のジャケットを利用できるのはFeliCa対応スマートフォンに限られるが、Bluetoothや無線LANによる通信も可能。ただ、Bluetoothや無線LANは事前の設定が必要だが、iC通信は設定が不要なので、iC通信の方が利用時のハードルは低いといえる。
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