“iOS 8非対応”は痛いがサービスは充実、9月から「ドコモ」プランも――「mineo」(2015年7〜8月):格安SIM徹底レビュー(2/3 ページ)
各社がし烈な競争を繰り広げる格安SIMサービス。料金、基本機能から実行速度、サポート体制まで、あらゆる要素を徹底レビューしていく。今回取り上げるのは、ケイ・オプティコムが提供するMVNO「mineo」のSIMカードだ。
設定方法:iOSは専用プロファイルをダウンロード、Firefox OSも対応
本レビューの評価対象外ではあるが、設定方法を紹介しておこう。SIMカードを入手してから最初に行うのがAPN(アクセスポイントネーム)の設定。Androidの場合、APNを新規作成し、一例として以下の通りに設定する。
- APN:「mineo.jp」を入力
- ユーザー名:「mineo@k-opti.com」を入力
- パスワード:「mineo」を入力
- 認証タイプ:「CHAP」を選択
APNの設定は、au系MVNOのためドコモ系MVNOとは設定項目が違う。URBANO L03の場合、「設定」→「その他」→「モバイルネットワーク」→「au ネットワーク設定」→「高度な設定」からアクセスできる。
ただし機種によって「LTE NET」を「CPA」に手動で変更するなど、細かな違いがある。mineoのユーザーサポートページにある「ネットワーク設定」で機種別に丁寧な設定方法が紹介されているので確認しておこう。au系MVNOらしく、Firefox OSを採用した「Fx0 LGL25」の利用方法も掲載されている。
iPhoneの場合(iOS 7のiPhone 5s/5c)は、Safariで専用サイトに接続し、「APN構成プロファイル」をダウンロードし、インストールする。プロファイルのダウンロードはhttp://mineo.jp/apn/mineo.mobileconfigこちら□から。詳細はAndroidと同じく、ユーザーサポートページのネットワーク設定を参照。
基本機能:「mineoスイッチ」で高速/低速通信を簡単に切り替え
「mineoスイッチ」(無料)を使うことで、高速通信(最大150Mbps)と低速通信(最大200kbps)を切り替えられる。これはアプリ内のデータ容量節約機能のスイッチのことで、「節約ON」にすることで利用可能になる。ただし前回紹介したDMM mobileのアプリと同じく、短時間に連続して切り替える場合は、1分程度待ってから切り替えることになる。
mineoスイッチアプリには通信容量の残量もチェックできるほか、マイページへの接続も可能。通信容量は余れば翌月に繰り越せる。
低速通信時に最初だけ高速通信が行われる「バースト転送」には非対応。またWi-Fiスポットの提供もない。
通話機能のオプションは充実しており、留守番電話サービスのほか、三者通話、迷惑電話の撃退、着信転送、割込通話なども用意している。
基本機能
評価:8/10
翌月繰り越し:2
高速/低速通信切り替え:2
データ容量追加:2
オリジナルアプリ:1
バースト転送:0
Wi-Fiスポットの提供:0
留守番電話:1
端末ラインアップと対応機種:au端末が多いが、VoLTEには未対応
セット端末はスマホ3機種とモバイルWi-Fiルーター1機種。スマホの「DIGNO M」と「AQUOS SERIE」は、KDDIからも発売されていたものだ。京セラ製の「LUCE」がmineo独自の端末となる。
タブレットはケイ・オプティコムの「eoスマートリンク」で取り扱っているものの、「eo光ネット」への加入が前提のサービスなので、評価対象には含めなかった。
SIM、セット端末、MNPどれも申し込みはその場から可能で、eo IDをすでに持っている人はログインするだけでよい。eo IDがない場合は契約者情報を入力する必要がある。
動作が確認されてい端末は、mineoのページに一覧が紹介されており、執筆時点ではauの回線を使ったMVNOのみの提供なので、掲載されているのはau端末ばかり。ドコモ、ソフトバンクのスマホは使えない(もちろん9月にドコモの回線でMVNOが始まるので、使える機種は増えるだろうが)。
加えて前述のとおり、iOS 8以降のiPhoneは利用できないため、iPhone 6/6 Plusは掲載されていない。さらにau端末でも「VoLTE」対応の機種ではmineoは利用できない(8月時点)。逆に古い機種も動作確認されていないので、利用できる機種数は少ない。SIMロックフリー端末も、スマホに関してはiPhone 5s/5cのみが掲載されている。評価項目の「iOSに対応」は0.5点とした。
ほかにタブレット、モバイルWi-Fiルーターも動作確認端末が掲載されているが、au版の機種が中心で、ドコモ系MVNOと比べ数は少ない。
この動作確認ページではテザリング対応の可否も確認でき、Androidの機種は対応しているものの、iPhone、iPadは非対応だ。なおこのページから機種ごとにネットワーク設定方法を確認することもできる。
端末ラインアップ
評価:8.5/10
動作確認済み端末の掲載:1
Androidに対応:1
iOSに対応:0.5
SIMカードとのセット販売:1
端末ラインアップ3機種以上:1
タブレットを販売:0
モバイルWi-Fiルーターを販売:1
独自端末を販売:1
LTE端末を販売:1
割賦販売:1
販売場所:不通期間なしにオンラインからMNPの手続きができる
mineoのSIMカードは、公式Webサイトから申し込むのが中心。AmazonなどでもSIMカードは購入できるが、エントリーコードの入力などで、結局のところ公式サイトを利用することになる。
実店舗はアンテナショップが7月にグランフロント大阪にオープンし、SIMカードのパッケージ販売も行っている。契約の受付、MNP対応は今冬が目標となっているので、店頭で即契約、MNPの切り替えはできない。
しかし「eo ID」を持っていればマイページからMNPの「転入切替/回線切替手続き」を選択でき、SIMカードの台紙にある数字・ICCIDを入力することで、30分ほどで切替が完了する。MNPを申し込んだことで、携帯電話が使えない期間が発生しないのはうれしい。
利用までの流れは、まずWebサイトから本人確認書類を画像でアップロードするか、配送時確認として、SIMカード、端末の受け取り時に本人確認書類を配達員に提示する。SIMカード、端末は1週間程度で配達されるため、MNP予約番号を取得したときは「(MNP予約番号の)有効期限が10日以上残っている状態」で申し込む必要がある。
販売場所
評価:8/10
オンラインでの対応:2
実店舗での対応:2
実店舗5店舗以上:0
MNPの即日対応:2
独自店舗:2
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