格安SIM対応した新生「BlackBerry Classic」レビュー:SIM通
BlackBerryの新端末が、3年ぶりに日本で販売されることになりました。改めて、BlackBerryとはどんな端末なのか?BalckBerry Classicはどこが進化したのか?レポートしていきたいと思います。
MVNO「もしもシークス」を運営するエックスモバイルは8月10日、無料通話付きの新料金プランとBlackBerry Classicの取り扱いを発表しました。
日本におけるBlackBerryの販売は、2012年のBlackBerry BOLD9900(NTTドコモ)を最後に3年間動きがない状態でした。日本市場に現れなかった3年間でBlackBerryは変化を遂げています。改めて、BlackBerryとはどんな端末なのか?BalckBerry Classicはどこが進化したのか?という側面でレポートしていきたいと思います。
今までのBlackBerryとBlackBerry Classicは別物
最初に、今まで国内で発売されたBlackBerryと今後発売されるBlackBerryは搭載しているOSが別。従来の機種はBlackBerry OS7で、新しい機種はBlackBerry OS10です。
簡単な違いは以下の通り。
OS | BlackBerry OS7 | BlackBerry OS10 |
---|---|---|
プロバイダ | BIS縛りあり | BIS縛りなし |
Androidアプリ | 非対応 | APNファイルから 直接インストール |
Amazonアプリストア | 非対応 | 対応 |
BISとは「ブラックベリーインターネットサービス」を略したプロバイダの名前。BlackBerry OS 7を搭載した機種は、BISを申し込んでいないとメールなどの設定ができず、BalckBerryの魅力がほとんどなくなってしまいます。
このBISはドコモ契約でないと申し込みが出来なかったため、MVNOや格安SIMでBlackBerryを運用することができません。しかし新しいBlackBerry OS10では、BIS以外のプロバイダでもAPN設定すると接続可能。つまりMVNOや格安SIMが使えるようになっています。
また、BlackBerry OS10から、AmazonアプリストアやAndroidアプリをAPNファイルからインストールできるので、これまで貧弱だったBlackBerryアプリのラインアップが、OS10からはかなり広がります。
ただ、Google Playと比較すると、Amazonアプリストアのラインアップは心もとないですし、AndroidアプリをAPNファイルからインストールするとセキュリティ的に不安になる部分もあります。また、一部アプリは正常に動かないこともあるもあるので多少の覚悟と諦めが必要です。
なおドコモでのBIS新規申し込みは2015年11月30日まで。運用については2017年3月31日に終了することを発表しました。このニュースを受けて「BlackBerryが日本で使えなくなる!!」と思われた方も多かったようですが、実際影響するのはBlackBerry OS7端末まで。
もしもシークスがBlackBerry Classicを発売することで、「BlackBerry難民」が救済されるのは素晴らしいことだと思います。
スペックと外観を確認!
それではBlackBerry Classicの詳細を確認していきます。
OS | BlackBerry OS10 |
---|---|
CPU | Snapdragon S4 MSM8960 クアッドコア 1.3GHz |
RAM / ROM | 2GB / 16GB |
外部ストレージ | microSDXC (最大128GB) |
サイズ / 重量 | 約131×72.4×10.2(mm) / 約180g(実測値) |
ディスプレイ | 3.5インチ(720×720ピクセル) |
バッテリー容量 | 2,515mAh |
カメラ | メインカメラ:800万画素 インカメラ:200万画素 |
SIMサイズ | ナノSIM |
LTEバンド | Band 1/2/3/5/7/8/20 |
本体サイズはコンパクトですが、重量はギュッと詰まった180g。軽量なスマホに慣れたユーザは少し「ズッシリ」とした感じを受けるかもしれません。搭載されているCPUはSnapdragon S4。これは2012年夏モデルのAndroidが数多く採用していたもの。ブラウジングやレスポンスのスピードは最新スマホと比較するとやや遅いですが、日常使いにおいて大きな支障はないと思います。
続いて本体を見ていきます。
背面はすべり止めにもなる独自加工で独自の雰囲気が出ています。
端末上部(左上)はイヤホンジャック、マイク、電源ボタンなどがあり、右側面(右上)にはボリュームキー、音楽再生/停止ボタンを配置。スピーカー、microUSB端子、マイクは端末下部(左下)にあり、SIM・microSDトレイはともにピンで引き出すタイプで端末左側面(右下)に備えられています。
BlackBerry Classicの一番のウリは何と言ってもフロントのキーボード。発信、メニュー、終話キーにトラックパッドに、QWERTY配列のキーボードが搭載されています。
ボタンを押して確実に発信、終話ができると共に、キーボードで1文字1文字を押し込んで入力できるのはフルタッチパネルのスマートフォンにはない魅力です。
キーボードは、アプリケーションや電話帳の登録をする際のショートカットキーとしても機能。ホーム画面からワンタッチですぐに起動できるので慣れると便利に感じる機能です。とはいえ、Androidスマートフォンと比較すると癖のある操作性となっていますが、逆に使いこなせると驚くほど便利に感じる機種でもあります。根強いファンがいる理由も分かります。
「通話定額」という言葉に疑問の料金プラン
料金プランに関して、もしもシークス側はMVNO史上初の通話定額プランをうたっておりますが、全てのプランで時間・回数の制限が設けられています。超過すると30秒19.9円(税別)で課金。
この内容が「通話定額」に入るかどうか、かなり議論の余地があると思います。しかし、MVNOでは珍しい通話を意識したプランですので、ユーザーにどう受け入れられるのか注目です。
BlackBerry Classicは8月17日より予約を開始しており、9月7日から順次出荷開始とのことです。本体価格は49,800円。気になっている方はこの機会でBlackBerryデビューしてはいかがでしょうか。
(文:モバイルプリンス)
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