「SIMフリー×モバイルSuica」と「ガラホ」に期待しつつも、ウェアラブルの“盛り下がり”が心配に:ITmediaスタッフが選ぶ、2015年の“注目端末&トピック”(ライター小林編)
2015年、筆者が注目したのは、「SIMフリー端末のモバイルSuica対応」「Android搭載フィーチャーフォン・ガラホの広がり」「ウェアラブル端末の盛り下がり」の3点だ。
SIMフリー端末のモバイルSuica対応
2015年、さり気ないニュースながら最も筆者の心を揺さぶったのは、この出来事ですね。モバイルSuica10周年のリリースとともに発表されまして。確かにモバイルSuicaへの対応については、おサイフケータイ対応のMVNO向けSIMフリースマホ各機種がうたってはいました。だが、いつまでたっても実現していなかった。
筆者は内心「これは無かったことにされるんじゃないか」と思っていましたね。実際、モバイルファンなら記憶にあると思うのですが、まさに10年前、モバイルSuicaの開始時に三菱電機の「FOMA D902i」が非対応になる、という‟事件”がありまして(参考記事)。この出来事でJR東日本の審査は相当厳しい、と印象付けられました。
それが無事、SIMロックフリーで実現というのはとてもめでたい。モバイルSuicaが必須という生活を送っていると、SIMロックフリー端末に手を出す気はどうしてもなれなかったのですが、これで2016年、筆者がSIMロックフリー端末を手にするのは間違いないでしょう。
Android搭載フィーチャーフォン・ガラホの広がり
筆者もauの「AQUOS K SHF31」を使っているのですが、まさかこんなにラインアップが増えるとは思いませんでしたねえ。はっきりいって、スマホを使っている人たちにはまったく琴線に触れることはないと思いますが。
ですが、筆者は魚釣りが好きなもので、よくモバイルとはまったく無関係の高齢者とお話ししたりするのですが、ほんとスマホを使えていない人が大勢います。せっかく「見やすそう」と考えて大画面のスマホを買ってもタッチ操作はできないし、「ブラウザ」といった言葉が分からない。
若い人でも、節約のためにガラケーを使っている、PCがない、そのためPCサイトが見られない、ネットショッピングができない(釣り具が買えない)、そういう人たちはごくごく普通にいます。IT業界の人たちには考えられない話ですけど。
そんなITとは無縁の人たちにガラホという選択肢ができたのは大きいですし、オススメしやすい。さらにガラホをステップにして次はスマホに、ということも現実的。もちろん慣れればスマホのほうが便利なので、ガラホのシェアが一気に増えることはないでしょうけど、業界は根気よくガラホを続けてほしいですね。
Apple Watchをはじめとしたウェアラブル端末の盛り下がり
Apple Watchに限らず、ウェアラブル端末の話ですが、間違いなく2015年前半は大いに盛り上がっていたはずですよ。しかし急速に、あまりにも急速に話が聞かれなくなりました。この浮き沈みの激しさが強く印象に残っています。もちろん今も使っている人、新機種の話を楽しみにしている人はいるでしょう。だけどその人たちまでで盛り上がりが完全に止まっている。
前述したように筆者はITとは無縁の人たちと接している時間のほうが長いもので、そんな人たちとの間でもApple Watchの話はしましたが、「買いたい」という話は一切出てこず、「あれってどうなの?」という話でとどまるのみ。発売後はなんの話題にもならず。
ITと無縁とはいえiPhoneユーザーは多い。しかしそんな人たちの興味、関心を引くことが無い。だけどそんな人たちこそ(筆者も)、運動不足で健康を気にしていたり。なのに興味・関心なし……。
ちなみに2015年、筆者が一番使った健康器具は「スマホの歩数計」。次が普通の体重計……なんの進化もありません。Apple Watchでも果たせなかったウェアラブルのブレイクスルー、実は‟身に着けること”自体遅れているのか? 間違っているのか? などと思ったり。筆者の早計だとよいのですが。
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