MVNOの反応は?スマートフォン料金負担軽減及び端末販売適正:SIM通
携帯料金タスクフォースにおいて、スマートフォンの料金などに関する取組方針と3キャリアに要請が出された。各MVNOはどう捉えているのか、緊急ヒアリングを実施しました。
10月より安倍晋三首相の指示のもと、総務省が主となり議論を展開していた「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」。12月18日、「スマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組方針」が出され、併せて3キャリアに要請がなされました。これを受け、各MVNOに緊急ヒアリング。4社からコメントを得ることができました。
以下、順不同
このたびの動きを受け、家計における通信費の削減が促進されることは、大変喜ばしいものと捉えています。データ通信量の少ないライトユーザ向けの通信サービスは、MVNO事業者も数多く提供しているため、これを期にMVNO事業者の認知及び理解が進むことを期待しています。BIGLOBEは時代の潮流に乗り遅れることなく、お客様に魅力的だと感じていただけるサービスを提供してまいります。
大手キャリアの過剰な端末購入補助は、利用者間の不公平を生み、MVNOへの移行を阻害しているため、その適正化方針が実効性を持つようなガイドラインの作成を期待します。また、大手キャリアがライトユーザ向けプランを充実するなど料金が低廉化することが予想されますが、当社としては、auとドコモのネットワークを活用するマルチキャリアMVNOとして、またお客さまと一緒にサービスを創り上げるMVNOとして、競争を勝ち抜いていきたいと考えています。
当社は2007年に総務大臣裁定を経て、ドコモネットワークを調達することができましたが、その当時誰が格安SIM、格安スマホを想像したでしょうか。今回、公正な競争を促進させるべく、二種指定事業者の接続に係る規律として、制御レイヤにあたるHLR/HSSに関しても開放を促進すべき機能であると、総務省の方針が明確に示されました。これにより、MVNOによる音声定額はもとより、全く異なる次元のサービスをお届けできると確信しています。
「TONE」を展開するトーンモバイル株式会社の代表取締役社長CEO 石田宏樹氏は自身のブログで「自己採点」として以下のように触れました(一部抜粋)。
検討課題2)端末価格からサービス・料金を中心とした競争への転換
端末至上主義での競争はレッドオーシャンを産み、最終的には利用者のメリットが失われてきます。TONE mobileでは、端末もさることながら、料金にとどまらず、サービス部分で差別化を図っています。お客さま負担を極限まで少なくして、サービスを継続的に拡充するには、接続だけでなく、端末までセットでアーキテクチャを作り、開発・提供する必要があるというのがTONE mobileの考え方です。
マルチレイヤでのソリューションを持っていないと、接続事業者は単なる「土管屋」になってしまいます。
検討課題3)MVNOサービスの低廉化・多様化を通じた競争促進
大変歓迎すべきことです。先の章で述べたように端末だけ、回線価格だけでなく、トータルなサービスを マルチレイヤで展開することで利用者の皆様の利便性を究極まで高めていきたいと考えています。また、MVNOを利用しない理由として、通信品質・サポート体制への不安を挙げる利用者が増加しているという現状が指摘されていました。この部分は重要です。特に回線と端末をセットで提供してフルサポートを行うという日本の携帯事業者のシステムに利用者は慣れています。回線しかサポートできない、端末しかサポートできないというのでは生活インフラを担うことはできないと考えます。その意味でもTONEは、リスクを負って端末から回線を含む全てを一社で統合しています。それでこそ、「全てのヒトに安心品質」を実現できると考えています。
また、MVNOにおいて今回の方向性案で大きく注目されているのは、これまでキャリアのみが保有していた加入者管理機能の開放について加入者管理機能をMVNOが保有することにより、MVNO事業者が様々なサービスの開発を行うことができるようになります。ここで重要なのが、新サービスの方向性が「キャリアに並ぶ」ことではなく、更に新しいイノベーションを追求できるかということになると思います。
MVNOにとって追い風の結果
ISPが母体で、MVNO唯一6GB/月プランを設けている、ドコモとau回線を保持、MVNOのパイオニア、ISP発・端末から回線までオリジナルと、立場や提供内容が異なるMVNO 4社とも今回の結果を前向きに捉えていました。月間1G未満のライトユーザにアプローチできる絶好の機会が待ち受けているのは確かですが、同時に「複雑」「手間」といった心理に訴え動かすかが焦点となりそうです。
(文:SIM通編集部)
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