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2016年に「日本のSIMフリーでシェア3位」を目指すZTE――「Blade V580」がその起爆剤になる?

ZTEが3月25日に発売するSIMフリースマホ「ZTE Blade V580」は、5.5型フルHD液晶や指紋センサーを搭載しながら税別2万円台を実現。同社は2016年中に、日本のSIMフリー市場でシェア3位を目指す。Blade V580がその起爆剤となるか?

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 ZTEジャパンが、5.5型のSIMロックフリースマートフォン「ZTE Blade V580」を3月25日に発売する。

ZTE Blade V580ZTE Blade V580 「ZTE Blade V580」。カラーはシルバーとグレー。ちなみに、海外ではオーストラリアで「ZTE Blade V Plus」という製品名で発売されている

 ZTE Blade V580は、5.5型フルHD(1080×1920ピクセル)ディスプレイや8コアCPUを搭載しながら、2万7800円(税別)という価格を実現したSIMロックフリースマートフォン。アルミニウム合金で作られた背面部分には、ブラスト加工によってツヤが消されており、落ち着いた雰囲気を醸し出している。

ZTE Blade V580ZTE Blade V580 片手でも握りやすいが、タスクキーと戻るキーが表示されないのが気になる(写真=左)。背面にはアルミ素材を採用した(写真=右)
ZTE Blade V580ZTE Blade V580 背面から側面にかけてカーブが掛けられている(写真=左)。カメラリングの周りが青いが、単なる装飾とのこと。カメラの下にフォトライトと指紋センサーがある(写真=右)
ZTE Blade V580ZTE Blade V580
ZTE Blade V580ZTE Blade V580

 OSはAndroid 5.1を搭載。プロセッサはMediaTekの「MT6753」を採用しており、64ビットの8コアCPUを内蔵する。内蔵ストレージは16GB、メインメモリは2GB、外部メモリは32GBまでのmicroSDHCを利用できる。容量3000mAhのバッテリーを備え、連続待受時間は約600時間、連続通話時間は約1800分を実現。

ZTE Blade V580
ZTE Blade V580の主な特徴
ZTE Blade V580
プロセッサの詳細

 1300万画素のアウトカメラには、東芝製の裏面照射型CMOSセンサーを採用している。F値は2.2で、5枚の光学レンズで構成される。パノラマ撮影のほか、5秒間のライブ映像を流せる「ライブ撮影」、スマホをぐるっと回して周囲の被写体を撮れる「マルチアングル撮影」、1枚の写真で被写体の動きを連続して表示できる「モーショントラッキング撮影」ができる。インカメラは500万画素で、アウトカメラと同様に顔検出や笑顔検出にも対応している。

ZTE Blade V580
カメラスペックの詳細
ZTE Blade V580
主なカメラ機能

 2万円台ながら、指紋センサーを搭載していることも見逃せない。背面の指紋センサーをタップすると、ディスプレイが消灯した状態でもスピーディーにロックを解除できる。ZTE Blade V580は複合指紋認識モジュールを採用しており、1000万回の押下試験を通過。認識速度は0.5秒、認識率は99%を誇る。この指紋センサーではロック解除ができるほか、カメラのシャッター操作も可能。画面の撮影ボタンを押すよりも、ブレを抑えて撮影できそうだ。なお、AXON miniで利用できる、指紋センサーを使ったアプリロックには対応していない。

 ネットワークはLTEがBand1(2100MHz)、3(1800MHz)、8(900MHz)、19(800MHz)、3GがBand1(2100MHz)、6(800MHz)、8(900MHz)、19(800MHz)をサポートしており、仕様上はドコモ回線とソフトバンク(Y!mobile)回線を利用できる。Y!mobileではSIMカードを単体で購入できるので、Y!mobile用のスマートフォンとしても運用できる。

 UI(ユーザーインタフェース)は、Googleの素の状態からほとんど手を加えておらず、プリインストールアプリも最小限にとどまっている。無用なカスタマイズを好まない人にはありがたい仕様だろう。

ZTE Blade V580ZTE Blade V580 プリインストールアプリは1画面と少しに収まっている

HUAWEI GR5と比べると?

 ZTE Blade V580は、Huaweiが2月12日に発売した「HUAWEI GR5」とスペックや外観が似ている。細かい部分で違いはあるが、5.5型フルHD液晶、メタルボディ、指紋センサーは共通している。HUAWEI GR5は3万4800円(税別)なので、Blade V580の方が7000円安く、コスト面では有利だ。ただ、HUAWEI GR5はプロセッサにQualcommのSnapdragon(615)を採用しており、microSDはBlade V580は32GBまでだがGR5は128GBまでのカードを使える。また、(あくまで個人の感想だが)メタルボディーの質感はGR5の方が高いと感じるし、GR5の方が薄くて軽い。このあたりに7000円の価格差があるといえそうだ。

「ZTE Blade V580」と「HUAWEI GR5」のスペック
機種名 ZTE Blade V580 HUAWEI GR5
メーカー ZTE Huawei
OS Android 5.1 Android 5.1
プロセッサ MediaTek MT6753(1.3GHz/8コア) Qualcomm MSM8939(1.5GHz/4コア+1.2GHz/4コア)
メインメモリ 2GB 2GB
ストレージ 16GB 16GB
外部メモリ microSDHC(最大32Gバイト) microSDXC(最大128GB)
ディスプレイ 約5.5型フルHD 約5.5型フルHD
解像度 1080×1920ピクセル 1080×1920ピクセル
バッテリー容量 3000mAh 3000mAh
アウトカメラ 有効約1300万画素CMOS(F2.2) 有効約1300万画素CMOS(F2.0)
インカメラ 有効約500万画素CMOS(F2.4) 有効約500万画素CMOS(F2.4)
ボディーカラー シルバー、グレー ゴールド、シルバー、グレー
サイズ 約77.2(幅)×155.3(高さ)×8.6(奥行き)ミリ 76.3(幅)×151.3(高さ)×8.15(奥行き)ミリ
重量 約165グラム 約158グラム
ネットワーク FDD-LTE:Band 1(2100MHz)、3(1800MHz)、8(900MHz)、19(800MHz)
W-CDMA:Band 1(2100MHz)、6(800MHz)、8(900MHz)、19(800MHz)
FD-LTE:Band 1(2100MHz)、3(1800MHz)、5(850MHz)、7(2600MHz)、8(900MHz)、19(800MHz)
TD-LTE:Band 40(2300〜2400MHz)
W-CDMA:Band 1(2100MHz)、5(850MHz)、6(800MHz)、8(900MHz)、19(800MHz)

2016年中に日本のSIMフリー市場でシェアで3位を目指す

 2014年に日本のSIMロックフリー市場に参入したZTEは、これまで「gooのスマホ」に端末を供給するなど、あまり自社の名前を表に出してこなかった。しかし、2015年12月に発売した「AXON mini」と「ZTE Blade V6」は、純粋なZTEブランドのモデルとして訴求しており、AXON miniではスペックにもこだわった。

 ZTEジャパンのプロダクトマーケティング ディレクターの吉本晃氏は「(SIMロックフリー市場に参入した)当初はZTEの名前を出せていないと感じているが、今年はそこに力を入れていき、よく知ってもらおうと思う」と話し、ブランド力の強化に努める。

ZTE Blade V580ZTE Blade V580 ZTEジャパンの李明社長(写真=左)。プロダクトマーケティング ディレクターの吉本晃氏(写真=右)

 ラインアップはAXONシリーズがフラッグシップ、Bladeシリーズがミッドレンジを担う。さらにBladeの中にも「V」がハイ、「A」がミドル、「L」がローと、スペックによって3つのバレーションを設けている。ZTE Blade V580は、Bladeシリーズの中ではハイスペックなモデルに位置付けられる。

 ZTEジャパンの李明社長は、「2016年中に日本のSIMロックフリー市場で上位3位に入りたい」と具体的な目標を語った。ただ、日本のSIMロックフリー市場は現在、ASUS、Huawei、FREETELが3強となっている(BCNの調査を参照)。李氏は「Huaweiとは類似性がありながら競争をしている。もっと技術を用いて、ハイスペック、高いコストパフォーマンスで上位3位に入りたい」と話すが、上記3社の牙城を崩すのは容易ではない。

 ZTE Blade V580は価格面では大きなアドバンテージを持っており、スペックとのバランスを考えても、ライバルに十分対抗できる製品だと思う。あとはどこまで同社の認知度を向上させることができるか、その手腕を注目したい。

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