頑丈×スリム……だけではない! 「arrows NX F-01J」ファーストインプレッション(2/2 ページ)
NTTドコモの2016年冬モデル「arrows NX F-01J」がいよいよ発売を迎えた。1年ぶりの「arrows NX」の見どころを、ざっと見ていこう。
セキュリティ:「Iris Passport」はより快適に
2015年夏モデルの「ARROWS NX F-04G」から搭載している虹彩認証「Iris Passport」は、F-01Jでも引き続き搭載している。
F-01Jの虹彩認証ユニットの基本設計は、F-04GやF-02H、「arrows Tab F-04H」のものと変わりないが、F-01Jでは虹彩を読み取る赤外線カメラのフィルターと、ソフトウェアのアルゴリズムが改善された。この改善により、虹彩の登録・認証が高速化し、炎天下(光線の強い場面)やスマホがブレやすい場面での認証通過率も改善した。
より快適になったIris Passportについては、レビュー記事を別途掲載する予定だ。
また、arrowsの独自機能である「パスワードマネージャー」がバージョンアップし、「パーソナルノート」と名称を改めた。パーソナルノートのアクセス認証にも、Iris Passportを利用できる。
AV機能:オンキヨーサウンド×色再現性の高い液晶が心地よい
F-01Jは、オーディオとビジュアルにもこだわっている。オーディオ面では、オンキヨーと共同でサウンド回路をチューニングしている。オンキヨーが定めた基準を満たした証として、「TUNED BY ONKYO」の認証も受けている。
デジタルノイズやゆがみ抑えた高品位なイヤフォン回路は、ハイレゾ音声(最大で192kHz/24bit)の出力にも対応している。従来のarrows NXと同様に、バーチャルサラウンド機能(イヤフォン出力時)やダイアログエンハンサー(セリフの強調機能)などを備える「Dolby Audio」にも対応している。ただし、Dolby Audioはハイレゾ音源の再生中は有効にできないので注意しよう。
ビジュアル面では、ディスプレイに注目したい。F-01Jでは、F-02Hよりもわずかに大きい5.5型IPS-NEOディスプレイ(液晶)を搭載している。先述の通り、F-02Hと比べると解像度は低くなったが、世に出回っているスマホ向け画像・動画コンテンツの解像度を考えると、より現実的な解像度になったともいえる。
F-01JのIPS-NEO液晶は、“第2世代”のもので、従来よりも色再現性を向上していることが大きな特徴だ。F-02HのIPS-NEO液晶(第1世代)では70%だった色再現性が、F-01Jでは96%まで高まっている。これにより、米ハリウッドの主要映画スタジオが定めた色域の統一規格「DCI-P3」にも準拠した。より「正しい色」で、映像を楽しめるようになったのだ。
カメラについては、アウト・インともにセンサーの画素数を向上している。アウトカメラは約2300万画素のセンサーを搭載し、23mmの広角レンズを組み合わせた。インカメラは約500万画素のセンサーを搭載し、こちらにも23mmの広角レンズを組み合わせている。インカメラでは、4枚の写真を合成して暗所での撮影画質を向上する「暗所合成」にも対応した。
arrowsの特徴である「シンプルすぎる」カメラアプリもバージョンアップし、フリック操作で静止画・動画の切り替えができるようになった。またインカメラでの撮影時には、標準でセルフタイマーシャッターが表示されるようになった。このシャッターは、インカメラに目線を合わせやすいようにカメラのそばに表示されるようになっている。自撮りの時に目線を合わせる際に参考にしよう。
なお、F-01Jのカメラ機能についても、レビュー記事を別途掲載する予定だ。
従来のarrows NXと比べると、数値上のスペックこそ「ハイエンド」ではなくなったF-01J。しかし、丈夫さや既存機能のブラッシュアップに重きを置く姿勢から、従来とは違った意味でのフラグシップモデルのあり方を模索した機種であるともいえる。
見かけ上の数値よりも、スマホを長期間にわたって安心して使いたい人にとっては、F-01Jは現時点でもっともお勧めできる選択肢の1つだ。ドコモショップを始めとするドコモ取扱店で実機に触って、その心地よさを体感してみよう。
なお、先述の通り、F-01JのIris Passportとカメラ機能については、別途レビュー記事を掲載する予定だ。スマホのセキュリティ機能やカメラ機能に興味のある人は、特に楽しみにしていてほしい。
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