カメラの祭典「cp+2017」で見つけたiPhone用撮影グッズ:荻窪圭のiPhoneカメラ講座(番外編)(2/2 ページ)
毎年2月、横浜で開かれるカメラと周辺機器のイベント「cp+」。2017年もパシフィコ横浜で開催されたわけですが、iPhone向け撮影グッズが多数あったので、紹介してみようと思う次第です。
ExoLens PRO with Optics by ZEISS(カールツァイス)
iPhone用アクセサリーといえば、三脚アダプターや三脚系(自撮り棒などを含む)だけではなく、より広角にしたり望遠にしたりマクロ撮影したりできる「アクセサリーレンズ」も結構たくさんある。
アクセサリーレンズといえば、安いものが山ほど出ている。そこで、あえて高級なものを1つご紹介しようと思う。
ドイツの老舗光学テクノロジー企業「カールツァイス(Carl Zeiss)」は、一眼カメラ用の非常に高品質な「ZEISS(ツァイス)レンズ」で有名だ。そんなZEISSレンズをiPhone用のアクセサリーレンズとしてアレンジしたものが「ExoLens PRO with Optics by ZEISS」(以下「ExoLens PRO」)だ。
ExoLens PROは、0.6倍の広角(ZEISS Mutar 0.6x)、2倍の望遠(ZEISS Mutar 2.0x)、そしてマクロレンズ(ZEISS Vario-Proxar 40-80 T*)の3種類をラインアップしており、これらをiPhoneに装着するためのブラケットと組み合わせて使う。
2016年に登場時はiPhone 6/6s、iPhone 6 Plus/6s Plus対応の製品として登場したが、iPhone 7対応のブラケットが新たに登場した。このメカっぽいアルミニウム製ブラケットの上部にはLEDライトなどを付けられるし、下部には三脚穴もあるので三脚を装着することもできる。
しかし、通常のブラケットは、広角と望遠の2つのレンズを持つiPhone 7 Plusには残念ながら未対応。2つのレンズに対応するのが難しかったのだそうな。iPhone 7 Plusユーザーの私には大変残念なことである。
しかし、諦めることはない。実は、ExoLens PRO用のマウントにはレンズだけ使いたい時に使う簡易マウント「エッジマウント」もある。こちらはiPhone 7 Plusにも対応しているのだ。
「簡易」とはいうものの、クリップではさむだけのアクセサリーレンズと比べると、きちんとiPhone側のレンズの中心に合わせて設置できる上、安定感が違う。さすがである。ちなみに、エッジマウントにもアクセサリーシューは付いている。取り付けるレンズの大きさとの相談は必要だが、LEDライトなども取り付けられる。
で、写真を見れば分かるが、iPhone用アクセサリーレンズとしては大きくて重い。そして何より高価である。広角レンズのキットで2万5000円……。
「高い!!」という気持ちは分かる。が、その分超ハイクオリティなのだ。安い広角レンズだと周辺部の画質が劣化したり、流れちゃったり、周辺部の直線が湾曲して写るのが普通。しかしExoLensなら違う。シャープでびっくりするレベル。四隅の画質はさすがに劣化するけれど、歪みはないし、すごくきれい。さすが2万5000円するだけはある。
もう1つ、マクロレンズも面白いので紹介したい。レンズの回りの透明のフードがついていて(透明なのは回りの光を遮断しないため)、それをピタっとくっつけて超アップの写真を撮れるのだ。
安いアクセサリーレンズ独特の「歪み」や「画質劣化」が面白いって人もいるだろうし、価格が価格だけに万人にお勧めはできないけれども、iPhoneをカメラとしてピシッと使いたい人はこのくらい出すべきである、とは思う。
お手軽VRを楽しめる「VR ONE Plus」(カールツァイス)
カールツァイスブースで、もう1つiPhoneで使えるグッズを見つけた。「ZEISS VR ONE Plus」(以下「VR ONE Plus」)である。
VR ONE Plusは「Google Cardboard」準拠のVRゴーグルで、4.7〜5.5型のスマホで汎用的に使える。強みはZEISSレンズを使うことで映像がものすごく明瞭になるということだ。
Google Cardboard対応のアプリ(YouTubeやTHETAアプリなど)で、簡単かつキレイなVRを楽しめる。お値段は1万5800円だ。
モバイルバッテリー付き「アクションバッテリーグリップ」(JOY)
最後はゴリラポッドでお馴染みのJOBYから、「アクションバッテリーグリップ」を紹介する。
写真を見てもらえるとわかるように、カメラグリップなのである。動画を撮るときには、iPhoneを直接持つよりも、こういうグリップに付けた方が安定するし持ちやすい。
一見すると、普通のカメラグリップなのだが、グリップ部がモバイルバッテリーになっている。カメラやスマホに給電しながら撮影できるのだ。
バッテリーの容量は2600mAhと多くない上、本体側の充電用端子がMicro USBじゃなくてMini USBだが(これはMini BのUSB端子を備える「GoPro」を主に想定しているから)、動画をよく撮る人にはありがたい製品ではある。グリップの底には三脚穴があるので、三脚にも取り付けられる。
と、cp+で見かけたiPhone用アイテムをいくつかピックアップしてみた。どれもカメラ系ブランドから出ているだけあってクオリティが高いし、iPhoneを装着したときの安定感が違う。
興味ある方はぜひ。
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