iPhone 7 Plusユーザーが「iPad Pro(10.5型)」に触れてアリだと思った理由(1/2 ページ)
Appleの最新タブレット「iPad Pro」が発売された。最新の「A10X Fusion」チップを搭載し、ディスプレイが120Hz駆動になって操作性も向上。久しぶりにタブレットをじっくり使ったが、このiPad Pro(10.5型)はアリだと思った。
Appleの新しいタブレット「iPad Pro(10.5型)※以下、iPad Pro」が発売された。従来のiPad Pro(9.7型)を置き換えるもので、画面サイズは約20%アップ。プロセッサには最新の「A10X Fusion」を搭載し、1世代前のiPad Proとの比較でCPU性能は30%速く、グラフィックスの処理速度は40%速くなったという。そんなiPad Proを試用する機会を得たので、数日間使って率直に感じたことを述べていきたい。
薄くて軽い
歴代のiPadをほぼ全て使っていれば、前モデルから何が変わって、どう進化したのか、といった細かなレビューができるが、筆者はiPadをそれほど熱心に使っていない。2013年に発売された初代「iPad Air」を持っているが、その使用頻度は年々減っている。2016年に5.5型の「iPhone 7 Plus」を購入し、ブラウザや電子コミックなどの閲覧は7 Plusで満足しているから。
そんな中でiPad Proを使ってみたのだが、第一印象は「意外と薄くて軽い」だった。iPad Proのサイズは174.1(幅)×250.6(高さ)×6.1(奥行き)mmで、重量はWi-Fiモデルが469g、Wi-Fi+Cellularモデルが477g。
初代iPad Air(9.7型)が169.5(幅)×240(高さ)×7.5(厚さ)mmなので、iPad Proの方が幅と高さがあるが、厚さはiPad Proの方が薄い。初代iPad AirはWi-Fiモデルが469g、Wi-Fi+Cellularモデルが478gで重さはほぼ同じなので、違和感がなかったというわけだ。ちなみに初代iPad Airのサイズと重さは、現在販売されているiPad(第5世代)と同じだ。
ディスプレイの視認性が抜群
“Pro”だからといって特段重いわけでもなく、従来モデルと同等のサイズ感で使えるのは好感が持てる。しかもiPad Proの方が初代iPad AirやiPad(第5世代)よりもベゼルが狭く、「ディスプレイそのものを持っている感覚」とまでは言わないが、画面閲覧時の満足度が高い。
600カンデラという明るさや、広色域(P3)の表示も魅力だ。特に写真の表示が鮮やかで、画面の大きさも相まって、スマホで見るよりも格段に楽しい。筆者は「iCloudフォトライブラリ」を活用し、iPhoneで撮影した写真をiPadでも見られるようにしている。iPadがWi-Fi接続されていれば、iPhoneで撮影した写真が自動で同期されるので便利だ。撮影の被写体はもっぱら子ども。撮影した写真を妻や両親に見せることが多いのだが、iPad Proの方が当然ながら迫力があって楽しい。画面の視野角も広いので、何人かで見るのにも向いている。
iPad用にカスタマイズしたという反射防止コーティングも効いており、晴れた日の屋外でも視認性は問題ない。また屋内で蛍光灯が当たる場所でも、iPhone 7 Plusよりも反射が抑えられており、少し反射した程度なら問題なく閲覧できる。
ガラス、タッチセンサー、液晶の3層を統合した「フルラミネーションディスプレイ」も反射防止に効いている他、画像や文字がより鮮やかで視認性が抜群だ。初代iPad AirやiPad(第5世代)はこれに対応していないので、iPad Proの画面を見た後に初代iPad Airの画面を見ると、なんだかモヤッとしている……と思えるほどだ。
表示が滑らか、動きもサクサク
そして新しいiPad Proならではの特徴として、画面のリフレッシュレートが従来の1秒あたり60回(60Hz)から120回(120Hz)に倍増したこと。画面をスクロールしたときや、動きの激しいゲームをプレイしたり動画を見たりするときに、より滑らかな表示になる。
例えばブラウジング中にページを軽くスクロールする程度なら、画面が動いている状態でも比較的文字が見やすく、残像感が抑えられている。記事を斜め読みするときや、トップページから興味のあるタイトルを探す、といったときに快適だ。試しにITmedia Mobileトップを表示させて、上下のスクロールを繰り返してみたが、確かにスクロール中でも記事タイトルの文字が読めた。同じページのスクロールを初代iPad AirとiPhone 7 Plusでも試したが、明らかにiPad Proの方が見やすかった。
動きの激しいゲームも快適だ。レーシングゲームの「アスファルト8」をiPad Proでプレイしたところ、疾走感があり、表示がもたつくこともなかった。最新のA10X Fusionチップを搭載しており、スピーカーの音も迫力があるので、高性能なゲームマシンとしても活躍してくれる。
Apple Pencilを使った文字やイラストの書き心地もよい。他のiPadと比較したわけではないが、少なくとも書き始めてからの遅延はなく、まさに紙にそのまま書いて(描いて)いるような感覚。標準の「メモ」アプリでも手書きメモはできるが、使える色やペンの種類が少ないので、本格的なお絵かきには向かない。サードパーティーからさまざまなお絵かきアプリが提供されているので、それらを活用したい。iPhoneでは難しい本格的なお絵かきを楽しめるのも、iPad Proの魅力だと感じた。
ちなみに、120Hz駆動の表示は、シャープも「ハイスピードIGZO」として自社のスマートフォンに採用しているが、Appleによると、iPad Proの120Hz駆動のディスプレイはAppleが自社で開発したものだという。
Appleによると、ディスプレイは常時120Hzで駆動しているわけではなく、表示内容に応じて最適な更新回数になるよう調整されるという。静止状態のときは24Hzまで下がるそうなので、無駄に電力を消費することはない。なお、「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」→「ディスプレイ調整」→「フレームレートを制限」から60Hzに下げることはできるが、アプリごとに設定することはできない。
A10X Fusionチップの効果もあり、ブラウジングからお絵かき、ゲームまでサクサク快適に使えている。試しにベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」で3回テストしたところ、iPad Proのスコアは「183693、178347、194187」で、「152804、125458、120095」だったiPhone 7 Plusを大きく上回った。もちろんベンチマークの結果が全てではないが、少なくともiPhone 7/7 Plus以上の性能は確保していると言っていいだろう。
キーボードを左右に分割する設定も用意されており、両手で文字を入力しやすくなる。ただし現時点で分割キーボードに対応していないアプリもあり、例えばFacebookやGmailのアプリでは利用できない。
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