iPhoneを振り返る:ついにドコモが参入 Touch IDにも対応した「iPhone 5s」、新デザインの「5c」も
これまでは年に1機種が基本のiPhoneだったが、2013年は「iPhone 5s」と「iPhone 5c」の2機種が発売された。日本ではドコモが参入したことも話題を集めた。iPhone 5sは特に息の長いモデルになった。
「iPhone 5s」は、同時に発表されたミドルレンジの「iPhone 5c」とともに第7世代目のiPhoneとなる。2013年9月10日(現地時間)、米サンフランシスコで開催したイベントで発表され、9月20日に発売された。
日本ではソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)、KDDI(au)に加え、NTTドコモも取り扱うことになり、この2モデルから3キャリア全てでiPhoneを購入できるようになった。10日のイベントやプレスリリースで「NTTドコモが初めてiPhoneを取り扱う」と紹介されている。また、Apple StoreでSIMロックフリーモデルの販売も開始した。
iPhone 5sは、2016年3月4日にY!mobileから発売。同年7月15日にはUQ mobileからも販売が開始され、歴代のiPhoneでは特に息の長いモデルになった。後継機の「iPhone SE」が同様のデザインを採用しつつスペックを強化して、“4型ディスプレイのiPhone”を引き継いでいる。
iPhone 5sとiPhone 5cはともに、サポートする通信方式が異なる5モデルが用意された。日本向けの端末は、iPhone 5sがA1453、iPhone 5cがA1456で、3キャリアとも同じモデルになった。
iPhone 5sはiPhone 5と同様のデザインとサイズながら機能面が強化された。iPhoneで初めてホームボタンに指紋センサーの「Touch ID」を内蔵し、指紋でロック解除やセキュリティ機能、Apple IDを使ったコンテンツ決済に対応した。カメラは、画素数はiPhone 5同じ800万画素の裏面照射型CMOSを採用したが、受光素子を大きくして、より多くの光を取り込めるようになった。F値もF2.4からF2.2に向上。2基のLEDが被写体の色温度に合わせて発光する「True Toneフラッシュ」、手ブレ補正、秒10コマの連続撮影を続けるバーストモードも搭載した。
プロセッサはモバイル向けでは初という64bitアーキテクチャの「A7」を採用。また、GPSや加速度センサー、磁気センサーを制御するモーションコプロセッサの「M7」も搭載した。
一方、iPhone 5cは機能面ではiPhone 5とあまり変わらなかったものの、新しいデザインを採用。背面はつなぎ目のない1枚のポリカーボネートで、5色のカラーバリエーションをラインアップ。6色の穴あきシリコンカバーが用意され、本体カラーと組み合わせて多彩なデザインバリエーションを楽しめた。ただし、Touch IDやTrue Toneフラッシュは搭載されず、ストレージ容量は16GB、32GBの2種類だけだった。
iPhone 5s、iPhone 5cともOSはiOS 7を搭載。iOS 7は、それまでの立体感のあるデザインから平面的なフラットデザインに変更された。画面下部から上にスワイプすると「コントロールセンター」が出現。機内モード、Wi-Fi、Bluetooth、画面回転などのオン/オフがワンタッチで行えるようになったほか、iOSデバイス同士でコンテンツを共有できる新機能の「AirDrop」もここから利用できるようになった。
通知センターは「今日」「すべて」「未確認」という3種類のタブに分かれ、当日の予定や天気、株価、24時間以内に見逃した情報などをチェック可能に。また、ロック画面からも呼び出せるようになった。ホームボタンを2回押すと最近使用したアプリを表示するマルチタスク機能は、アプリ画面のサムネイルも表示されるようになり、アプリの終了はサムネイルをスワイプするやり方に変更された。
カメラは正方形の写真が撮影できるようになり、静止画には色味を変えるフィルターをかけられるようになった。写真アプリには撮影年やイベントで写真をまとめる機能が追加された。
発表前の予想では、iPhone 5cは低価格のAndroidスマートフォンに対抗するモデルと捉えられており、価格が大幅に安くなるのではと期待された。一括価格はiPhone 5sよりも1万5000円ほど安かったが、分割支払金になると大差はなく、高機能なiPhone 5sの方が人気は高かった。
「iPhone 5s」の主な仕様
- 発表日(日本時間):2013年9月11日
- 発売日:2013年9月20日
- キャリア:ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)、au、ドコモ
- 容量:16GB、32GB、64GB
- サイズ:約58.6(幅)×123.8(高さ)×7.6(厚さ)mm
- 重量:約112g
- ディスプレイ:4型(640×1136ピクセル)液晶
- プロセッサ:A7
- アウトカメラ:有効約800万画素CMOS
- インカメラ:有効約120万画素CMOS
- ネットワーク:LTE、3G
- ボディーカラー:スペースグレイ、ゴールド、シルバー
「iPhone 5c」の主な仕様
- 発表日(日本時間):2013年9月11日
- 発売日:2013年9月20日
- キャリア:ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)、au、ドコモ
- 容量:16GB、32GB
- サイズ:約59.2(幅)×124.4(高さ)×8.97(厚さ)mm
- 重量:約132g
- ディスプレイ:4型(640×1136ピクセル)液晶
- プロセッサ:A6
- アウトカメラ:有効約800万画素CMOS
- インカメラ:有効約120万画素CMOS
- ネットワーク:LTE、3G
- ボディーカラー:ホワイト、ピンク、イエロー、ブルー、グリーン
関連記事
- Apple、64bitプロセッサーと指紋センサー搭載の「iPhone 5s」を発表 9月20日発売
米Appleは9月10日(現地時間)、64bitプロセッサーと指紋センサーを搭載したiPhoneの新モデル「iPhone 5s」を発表した。国内ではドコモから発売されることも明らかになった。 - アップル、価格を抑えた新デザイン「iPhone 5c」発表
Appleが発表したiPhone 5cは、199ドルからという低価格とともに、多彩なカラーバリエーションとポリカーボネートパネルによる新しいデザインテイストが特徴だ。 - NTTドコモから「iPhone」が登場する
Appleは、9月10日(現地時間)に「iPhone 5s」「iPhone 5c」を発表し、日本で出荷するキャリアと予約開始日、価格を明らかにした。 - Apple、「iPhone 5s」「iPhone 5c」日本向けモデルを公表
Appleは、日本のキャリアに出荷するiPhone 5sとiPhone 5cのモデル名を明らかにした。NTTドコモもKDDIもソフトバンクモバイルも、すべて同じモデルを取り扱う。 - Apple、「iOS 7」を発表――2013年秋にリリース
Appleが6月10日に開催した「WWDC2013」で「iOS 7」を発表。「Air Drop」「iTunes Radio」などの新機能が追加されたほか、カメラ、写真、Safari、Siriなどで機能拡張も行われる。2013年秋にリリースされる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.