新作DVD情報
予想外?! のアカデミー賞3部門受賞作――「クラッシュ」
クラッシュ
全世界の映画賞総計94部門にノミネートされ、うち42部門を受賞。アカデミー賞でも大本命の「ブロークバック・マウンテン」をおさえて、作品賞、脚本賞、編集賞の3部門に輝いた社会派群像劇が、いよいよDVDで登場。
監督のポール・ハギスは、エミー賞を受賞するなどTV界で活躍してきた人物。2004年、劇場長編映画の脚本家デビューを飾った「ミリオンダラー・ベイビー」に続き、本作で初メガホンをとった。今後もクリント・イーストウッド監督の最新作「父親たちの星条旗」で脚色を務めるなど、いま最も注目を集めるフィルム・メーカーのひとりである。
クリスマス間近のロサンゼルス。黒人刑事グラハムと同僚でスペイン系の恋人リアは、深夜のハイウェイで追突事故に遭遇。車から降りた彼は、偶然に事故現場ワキで発見された若者の死体に目を留める。この交通事故が全ての始まりだった。物語はここから36時間前に遡り、見ず知らずの22人の人生がいかに交錯し、その歯車が狂ったのかを、静かに凝視していく。
例えば、裕福な黒人TVディレクター夫婦の場合。パーティーの帰り道、白人警官ライアンに車を停められ、理不尽な職務質問を受ける。このライアンは、尿道炎に苦しむ父の介護のためにイライラし、そのはけ口を何の罪もない彼らに向け、夫キャメロンの見ている前で妻クリスティンにセクハラまがいの尋問を行う。救いの視線を投げかけるクリスティンに、キャメロンは何もすることができない。その後、夫婦の関係に亀裂が生じる。翌日、パトロール中のライアンは、横転した車の中にクリスティンを発見。危険を顧みず救助しようとするが、彼女から拒絶されて……。
ニューヨークと並ぶ人種のるつぼ、ロサンゼルスの悲しき現状がリアルに投影された本作。他にも自動車強盗、地方検事とその妻、鍵屋、雑貨屋亭主、病院の受付嬢など、人種も職業も年齢も違う彼らが、差別と偏見によるトラブルに巻き込まれ、わずか36時間という短い時間の中で、衝突=クラッシュを繰り返し、怒り、悲しみ、喜びといった様々な感情をさらけ出していく。
登場する22人は、寂しさや苛立ち、孤独や焦燥感など心の闇を抱え、長所も短所も持ち合わせた、ごくフツーの人間たちだ。私たちの身近に存在し、誰にでも起こり得るシチュエーションだからこそ、リアルな怖さがここにはある。
人間の醜さと皮肉な運命を容赦なく描く一方で、かすかな希望も見え隠れする。うんざりするようなエピソードがパズルのように積み重ねられ、それを破綻なくまとめるハギス監督の手腕は天才的。また、意外なところで意外な人物がつながる展開に、最後まで目が離せないだろう。
「デンジャラス・ビューティー」のサンドラ・ブロック、「ハムナプトラ」のブレンダン・フレイザー、「ホテル・ルワンダ」のドン・チードル、「M:i-2」のサンディ・ニュートン、本作でオスカーにノミネートされたマット・ディロンら豪華キャストの演技合戦もみどころ。
特典は監督&脚本&ドン・チードルの音声解説、主要キャストのインタビュー、監督のメッセージ映像、カンザスカリによるミュージック・クリップ「If I...」などを収録。
関連サイト:http://www.crash-movie.jp/(公式サイト)
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