「データの扱い、極めてずさん」 STAP細胞問題で理研が中間発表 画像切り貼り「いけないとの認識なかった」(2/4 ページ)
博士論文画像の流用は「画像取り違え」と説明
一方、継続調査が必要とした問題点は4点ある。そのうちの1つは「脾臓の造血系細胞から作成したSTAP細胞」としてNature論文に掲載されていた画像が、小保方氏が早稲田大学に提出した博士論文に掲載された画像と酷似していた問題だ。調査委は両方の画像について、「われわれが見る限り、同じものである」と認めた。
「脾臓の造血系細胞から作成したSTAP細胞」の画像については、調査の早い段階で小保方・笹井両氏から「骨髄由来のSTAP細胞の画像を間違って掲載してしまったので差し替えたい」との申し出があり、調査委は差し替え用の画像を受け取っているという。取り違えた理由は、脾臓と骨髄をともに「hemato」(hematopoietic)とラベリングしていたためと説明。ただ、画像が早大の博士論文に掲載した画像と同じとの説明はなかったという。
また、Nature論文に掲載したSTAP細胞画像は「酸処理で作成した」と説明していたが、博士論文では、細いピペットを通過させるという機械的な刺激で作ったSTAP細胞(当時は「STAP細胞」という名称はなく、「スフェア」と呼ばれていた)であり、作成方法は異なっていた。
調査委はこうした画像の取り違えは不自然と見て、引き続き調査する。
電気泳動画像の切り貼りは認める 「やってはいけないと知らなかった」
論文1「Figure 1i」の電気泳動の画像についても、3番目のレーンのコントラストがほかの画像と明らかに異なっており、画像を切り貼りしているのではという指摘がある。
小保方氏は調査委に対し「画像を切り貼りした」と説明。3番目のレーンのリンパ球バンドが薄かったため、電気泳動の時間が異なる別のジェルで流したレーンを切り貼りして挿入し、電気泳動の時間を合わせるために縦方向に引き延ばしたと説明したという。
調査委が小保方氏の説明通りにやってみたところ、小保方氏が作成した画像からは少しずれたという。ずれについて小保方氏に尋ねると「自分でも分からない」と回答。調査委は引き続き調査している。
小保方氏は、電気泳動画像の切り貼りについて「やってはいけないことだという認識がなかった、申し訳ありません」と話していたという。「切り貼りに抵抗がないのか、倫理観を学ぶ機会がなかったのか……」(石井氏)
文章コピペ疑惑 小保方氏「自分が書いたが、参考元はよく覚えていない」
論文1「Method」の核型解析に関する記載で、他人の論文をほぼ丸ごとコピーした疑いのある部分について、調査委は「コピーであることが間違いないと確認した」という。小保方氏は「自分が書いた」としており、核型解析について詳しい文献を参考にしたが、引用の記載を忘れ、文章をどこから取ってきたかも「よく覚えていない」と話したという。
この文章の前半は小保方氏による実験、後半は若山研スタッフによる実験について説明しているが、後半の実験は記載内容とは異なっていた。若山氏は「小保方氏は実験の方法をよく把握しておらず、思い込んで書いたのだろう」と推測。調査委はこれらの問題についても調査を続ける。
また、同じ「Methond」の「Bisulphite sequencing」にも他論文と似た記述があったが、「こういった実験では通常よく使う方法で、誰が書いてもほぼ同じ文章になる」(石井氏)ため、「剽窃や盗作には当たらないと判断した」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
4
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
7
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
8
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR