滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
進化し続けるロボット掃除機、ダイソン「360Eye」のスゴイところ(3/3 ページ)
次に「ダイソン 360 Eye」という製品名の由来にもなったカメラを含むセンサーについて。当然、360 Eyeにはカメラ以外にも多数のセンサーが搭載されているが、それぞれの役割はどうなっているのか。「本体の前方に4つの赤外線センサーを搭載し、一番近くにある対象物までの距離を測ります。底部も前方に段差センサーがあり、主に玄関や階段など段差を検知します。カメラはモノの位置などを判別して状況を捉える役割を担っており、それ以外はセンサーを使って具体的な対象物を感知しています」
なお、センサーは市販のデバイスを使用しているが、360度カメラについては自社開発だという。「ロボット掃除機を開発し始めた当時、SLAM技術はカメラと連動するのみにしか使われていなかったんです。ただ、その時われわれが気づいたのは、単純なカメラを搭載してしまうと視野角を確保できなくなってしまうことでした。それから360度カメラを開発すると同時に、三角法でマッピングをしながら、障害物の特徴などを判断しながら、かなり正確な位置確認ができるようになりました」
しかし、ナビゲーションにカメラを使用している製品で懸念されるのは、暗い場所でも動けるのか? ということだ。
「確かに夜間は動けません。もちろん、完全な暗闇では動かないという意味です。しかし、夕方や人間が『暗いかな』と思うぐらいの照度でしたら大丈夫です。また、非常に照度の低い場合にも対応できるセンサーが実は搭載されています。本体横の取っ手部分がそれなのですが、周囲の照度が落ちた場合、例えば、ベッドやソファ横、家具と壁の隙間など、暗い部分に入ったことを自動的に感知すると、取っ手部分の窓から赤外線を発します。分かりやすくいえば、ヘッドライトような感覚で照度を補完するのです。ただ、狭い範囲では機能しますが、部屋全体までは網羅できないということです」
進化するロボット掃除機
昨年の時点では動きが少しぎこちない印象もあった360Eyeだが、オールドレッド氏によると、そこにも改良が加えられているという。「昨年の時点では、確かに『動きがヨチヨチしているよね』と言われることもありました。こちらについても、当然改善してスムーズな動きに変わっています。そしてポイントは、本体がインターネットとつながっているので、今後も継続して動きを改善していける点にあります」
今回、ダイソンは同社製品として初めてアプリ連動の仕組みを提供したが、苦労も多かったのではないだろうか。
「そうですね。アプリの開発は、本体の開発と比較すれば、そこまで難しくはなかったです。ただ、アプリと製品の連動ということが初めてだったので、アプリを運用するインフラを整備することが難しかったです。というのも、今後そのグローバルに展開していくとなると、世界中の製品を同じインフラ上でサポートしていかなければなりません。そこに不具合がないよう、膨大な時間とエネルギーを費やしました」。
「ダイソン 360 Eye」は、ダイソンにとって新ジャンルの製品である。オールドレッド氏が、「現時点ではベストであるものの、パーフェクトではない」と言う通り、発展途上の製品であることも否めない。とはいえ、ロボット掃除機市場にとって大きなインパクトを与えたことは事実。360Eyeにはクラウド経由でソフトウェアを常にアップデートできるという強みもあり、だからこそ、今後の進化には期待せざるを得ない。
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滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
モノ雑誌で白物家電を約10年担当し、メーカーからの信頼も厚いフリーランスライター、滝田勝紀(たきたまさき)氏が最新家電のスゴイ技術を紹介するインタビュー連載。
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