アニメに潜むサイバー攻撃

「ルパン三世 PART5」に隠された“凄腕ハッキング”の手口 専門家が解説(2/5 ページ)

F: アミ[網]はリアルだと思います。人間の時間は有限なので、若くして凄腕のハッカーになるということは、その技術を取得する代償として、相応の時間を捧げる必要があります。没頭したり、何がしかの理由で強制されていたりして時間を失った結果、社会性を失ってしまう。

 よく物語に登場する、恵まれていて社会性もあって友達もいて“ハーレム持ち”で成績が優秀で……なんて、まずあり得ません。突き抜けたテクニックとは何かを失うことによって得るものですから、そういった面でアミ[網]の人物像はその「なぜ」に答えていて、ストーリー上もリアルなバックグラウンドが描かれていました。悲しい話ではありましたが。

 そしてPCの前に座れば世界の全てをハッキングできるような、荒唐無稽な存在でないところもリアルでした。私たちから見て「何をしているか」が分かるのですね。それに攻撃の基礎もしっかりして、手堅いハッカーです。

K: え、どんなところが?

F: たぶんIT関係者しか気付けなかったと思うのですが、殺し屋に追われてルパンと逃亡しているとき、自動車の組み立て工場に逃げ込んだ瞬間、アミ網]はこう言っています。「デフォルト管理者名とパスワード入力」。工場のネットワークに手早く侵入した上で、組み立て用の工作機械を乗っ取り、殺し屋を攻撃しています。これは、工場のセキュリティがしっかりしておらず、工作機械の管理者パスワードを購入時から変更していなかったので簡単に乗っ取れた、というネタなんです。最近、世界中のネットワークカメラが不正アクセスを受けたときも[問題になっていましたよね

 あと「受信データをスキャン後に解凍」とか。「おお、セキュリティの基本をしっかりやっているな」と思いました。

K: 気付きませんでした……確かに!

photo 原作:モンキー・パンチ ©TMS・NTV

F: 一方、頭でっかちでネットの情報に頼りすぎで、現実世界では弱いところなんかも等身大でした。それに、たぶん不二子の存在が気になっているところとかね。

K: ええ? どこで?

F: K君気付かなかったの? 10回ぐらい見直してきなさいね。

K: うう。ところで、アミ[網]の[網]って何ですか?

F: だってアミちゃん、名前の発音がおかしいと定期的に修正させるじゃないですか。「アミじゃないわ。網よ」って。

K: いや、そこは「アミ↑」ぐらいにしましょうよ(笑)

仮想通貨流出、Twitterへの投稿……最新のネタ満載

F: 実はルパン三世 PART5は、サイバーセキュリティの担当者としては珍しくストーリーを楽しんでいます。

K: え? 普段は不満たらたらのFさんにしては珍しいですね。

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アニメに潜むサイバー攻撃

サイバー攻撃は、時代に合わせ、攻撃の対象や手口が変化してきました。しかし近未来の世界、最新技術へのセキュリティ対策はイメージしにくい部分もあります。そこで、そう遠くない未来、現実化しそうなアニメのワンシーンをヒントに、セキュリティにもアニメにも詳しい内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の文月涼さん(上席サイバーセキュリティ分析官)が対策を解説します。

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