荻窪圭のデジカメレビュープラス
なぜ今、カメラ各社が新マウントを出すのか(1/2 ページ)
カメラ各社が新しいマウントを発表している。2018年8月23日にニコンが「Zマウント」を発表したと思ったら、9月5日はキヤノン「RFマウント」である(編集部追記:9月25日にはパナソニックとライカカメラ、シグマが『Lマウント』規格で協業すると発表した)
なぜ今、各社が新マウントのミラーレス一眼を出すのか、カメラのマウントは今、どうなっているのか。そんな話。
キヤノンが「RFマウント」を開発した理由
キヤノンは言わずと知れた一眼レフのトップブランド。同社の一眼レフ用マウント「EFマウント」は1987年、それまでの「FDマウント」に代わるオートフォーカス時代の新しいマウントとして誕生した。デジタル一眼の時代になってもそれは受け継がれ、そこから派生したAPS-Cサイズセンサーの一眼レフ専用の「EF-Sマウント」が登場する。
2008年、パナソニックが世界初のミラーレス一眼を出すと、2012年にはキヤノンも「EOS M」シリーズでAPS-Cサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼を投入する。ここで「EF-Mマウント」というミラーレス一眼専用のマウントが誕生した。EOS Mシリーズは現役で、エントリー層向けの「EOS Kiss M」がヒットしたのは記憶に新しいところだ。
と、すでに一眼レフ用とミラーレス一眼用のEF-Mマウントを持っていながら、新しいRFマウントをここで投入したのである。なぜか。
EF-Mマウントはカメラを小型化するためAPS-Cサイズセンサー用にデザインされており、それを35mm判フルサイズセンサー(以降、フルサイズセンサー)用に流用するのはいささか無理があったのだ。将来を考えて、フルサイズセンサーの性能を発揮するための新しいマウントを設計したのである。それがRFマウント。
マウントの内径はEFマウントと同じ54ミリ。マウントと撮像素子の距離を示すフランジバックは20ミリ。さらに、レンズとカメラボディで様々な信号をやりとりする通信システムを新しくし、マウントアダプターを介してEFレンズの機能を使え、フォーカスや絞りデータや手ブレ量やレンズ収差といった撮影に必要なデータに加えて、レンズ上のコントロールリングやレンズ情報表示用のデータ、デジタルレンズオプティマイザー用の信号(レンズの特性や撮像素子周りの特性に応じて画像を補正する機能)をやり取りできるようにした。
APS-CサイズセンサーはEF-MマウントのEOS M、フルサイズセンサーはRFマウントのEOS Rという、同じミラーレス一眼でもマウントが違うという少々ややこしいことになったわけだが、今後数十年(EFマウントが31年目を迎えたことから『次の30年に向けて』と語っていた)を考えると、新しいマウントが必要になったということだろう。
注目したいのはマウントアダプターの豊富さ。EF/EF-SレンズをEOS Rで使うためのアダプターなんだが、これが全部で4つも登場した。一つは普通のアダプター。一つはコントロールリングが搭載されたアダプター。
コントロールリングはRFマウントのレンズに付いているカスタマイズ可能なリングのこと。露出補正や絞り値、ISO感度などの機能を割り当てると、レンズ上のリングで操作できる。常に左手でレンズを支えて撮るデジタル一眼の場合、非常に便利に使えそうだ。で、コントロールリング搭載のアダプターはマウントアダプターにそのリングが付いているので、コントロールリング機能をEFレンズでも使える。
残り2つはドロップインフィルター搭載のマウントアダプター。C-PLフィルターと可変式NDフィルターの2種類が用意される。これらのマウントアダプターを使えば、どのフィルター径のレンズでも関係なく、PLフィルターやNDフィルターを使える。特に可変式NDフィルターは動画撮影ユーザーに重宝されそうだ。
新しいマウントのシステムが出たとき、当初レンズの数が少ないのは仕方のないこと。でもこれだけマウントアダプターが用意されれば、EFレンズを持っている人なら試してみたくなるに違いない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
2
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
9
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
10
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR