「自分だけのキャラを作りたい」 AIで美少女を「無限生成」、若きオタクエンジニアの挑戦(4/4 ページ)
深層学習の研究に不可欠なのは、コンピュータの計算リソースと、機械学習に必要な豊富なデータセットだ。アニメ風の画像は写真と比べて自由に使えるデータセットが少ない。β版の開発時も、アニメキャラクターのデータセットを確保するのに苦労したという。
改良したCrypkoは男性キャラクターにも対応しているが、これはPFNのノウハウを参考に、限られたデータセットでキャラクターを生成できるよう実現したそうだ。β版と比べると、AIの学習に使えるGPUも多く調達でき、学習速度は「爆速になった」と朱さん。PFNに入社し、日本で働くことで感じる恩恵もあるそうだ。「アニメといえば日本。日本にはクリエイター文化があるからこそできるビジネスもあると思う」(朱さん)
金さんがAIの道を志したきっかけは、PFNの社員だという。同社のリサーチャーである松元叡一氏が2015年に発表した、アニメ画像を自動生成するAIの記事を読み、憧れて研究を始めたそうだ。4年間の時を経て、憧れの技術者と肩を並べて研究開発に打ち込む毎日だ。
「絵が描けなくてもクリエイターに」
オタクカルチャーを愛する中国人留学生が生んだ「美少女ジェネレーター」が、世界から注目を集めるユニコーン企業(企業評価額が10億ドル超の非上場企業)の事業になった――まるでドラマのような話だ。
金さんと朱さんは、今後も深層学習のブラッシュアップを続けていくそうだ。金さんは「顔だけでなくキャラクターの全身、人間以外のキャラクターの生成にも挑戦したい」と意欲を見せる。朱さんは「自分のアイデアを深層学習を使って、そのまま実現できるようにしたい。キャラクターを(脳内で)想像した通りの姿に近づけられるようにするのが夢」という。
現段階ではCrypkoは、アニメやゲームを制作する企業向けに提供しているが、個人向けに提供することも検討する。「絵が描けなくてもクリエイターになれるようにしたいし、プロのイラストレーターでもキャラクターのプロトタイプを作るときに使えるのではないか」(朱さん)
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