これからのAIの話をしよう(データリテラシー編)
AIに従うことの危険性 「正しい意思決定」という幻想から抜け出すには?(2/4 ページ)
――例えばアパレル商品を扱うECサイトなら、時代遅れの服やユーザーからの評価が低い服などをお勧めすることが考えられます。
なるほど。今ちょうどZOZOテクノロジーズの社員がオフィスを歩いているのが見えますが、彼らが着ている服を「間違っている」といえるでしょうか。変わった服を着ている場合、その人に道徳的な責任はあるのでしょうか。
それよりも、ある意思決定が人々にどのような影響を与えるかを考えたほうがいいでしょう。財務、健康、そして政治といった分野で間違った意思決定をすると大変なことになります。フェイクニュースは人々に多大な影響を与えますよね。ファッションについては、仮に間違えたとしてもそれがどのような影響を人に与えるかには疑問が残ります。
――意思決定が与える影響を考えるのは重要ですね。しかし、どんな影響があるにせよ、AIの指示に従うことで私たちが不利益を被ってはいけないと思うんです。
そもそも「私たちは良い意思決定をしている」と考えること自体が幻想ではないでしょうか。例えば医療の領域では、機械が人間より良い判断をしているのではないかといわれはじめています。(AIを使うことで)医師が事実に基づいて正しい判断をしているという幻想から覚めたんです。
私たちはこの先、誰を信頼すれば良いでしょうか。Yahoo!やGoogleで検索した結果にどこまで信頼性がありますか。世界はたった30年ほどで劇的に変わりました。私が幼いころに学校で学んだことと、Wikipediaに載っている内容には乖離(かいり)があるんです。こうした問題は、誰もが考えなければならないでしょう。
――インターネットがなかった時代は、風邪を引いたら病院に行って医者の言うことを信用していれば安心でした。今は医者が言ったことが正しいかをネットで調べて裏付けを取ることもできます。しかし、そうした情報が正しいのかどうか、素人の私には分かりません。
良い例ですね。まさにその通りだと思います。人間の役割が変わってきているのです。コンピュータが私たちよりスマートにできる仕事はたくさんあるので、私たちは人間がやる意味のある仕事に就かなければならないでしょう。共産圏では道路の穴を掘っては埋めるような意味のない仕事が与えられてきたこともありましたが、資本主義社会では意味のない仕事をする必要はありません。
「データは漏えいするもの」 規制やルールで対策すべき
――データの管理や所有についても教えてください。Facebookを始め、日々さまざまなサービスで私たちの個人情報が漏えいされて問題になっています。これにどう向き合うべきでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
これからのAIの話をしよう
いま話題のAI(人工知能)には何ができて、私たちの生活に一体どのような影響をもたらすのか。AI研究からビジネス活用まで、さまざまな分野の専門家たちにAIを取り巻く現状を聞いていく。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
2
無人タクシー、東京で来年運行へ GO、Waymo、日本交通が合意
-
3
不正アクセスで「当選」が「落選」に改ざん ウルトラマンショップのLINE整理券システムで被害
-
4
日本郵便、荷物の本人確認をICチップ付き身分証4種に限定 スマホのマイナカードで受け取れる場合も
-
5
マンガ数冊「105万円でSOLD」物議、メルカリ“マネロン疑惑”を否定「その価格で売れていない」……ならばなぜ?
-
6
「AIで効率化しても仕事が増えるだけ」──月○時間浮かせても報告しない社員たち 広がる“AI版静かな退職”
-
7
録画した番組を「Googleドライブ」「OneDrive」に保存 パナソニック新型「DIGA」で
-
8
「悪用されそう」─―メルカリ「限定公開」機能、SNSで物議 同社に対策を聞いた
-
9
初代Switchに脆弱性 QRコード読み取りで情報漏えいの恐れ 深刻度「高」
-
10
「監視されていないときのAIは、もう評価できない」 OpenAI現役研究者が個人声明
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR