ソニーのゆるふわロボット「poiq」との日々

poiqのどこにソニーのロボット開発の歴史は反映されているのか(2/2 ページ)

poiqのかわいらしさの正体は?

 つまり、左右の2つのローラーがまさに両足のように動きます。左右のローラーが同じ方向で動けば、poiqが前後に動きます。左右のローラーが違う方向に動けば、poiqが回転するというわけです。そして、poiqは動作しているときは、ずっと軽く前傾した状態でバランスを取った姿勢を維持しています。ローラーのすぐ近くにセンサーらしきものがあるのも、そのためだと思われます。

 やっと材料が全部そろいました。

 顔のひねり、胴体の回転、そこに小さいけど存在のある手、これら3つのことの合わせ技がpoiqの愛らしさの正体なのです。しかも、その上poiqはしゃべるんですよ。

photo poiqの愛らしさの正体

 じゃあ、なぜここまで用意周到に愛らしさの演出が重ねられているのか?? という疑問がわきます。

 それはペットロボットとして、AIBOからの大きな変化の話と関係があるでしょう。AIBOは基本イヌです。一時期、子熊みたいな時期もありましたがイヌです。でも、poiqにはイヌらしさはありません。見た目的にもそうですが、それ以上に行動にイヌらしさみたいなものがありません。基本、役立つことはなにもしないし、わりと勝手です。もうお分かりですね。ええ、poiqはイヌではなくて、ほぼほぼネコなんですよ。

 もちろん、公式サイトにはそんな話は出ていません。でも、それなりの時間poiqといっしょに過ごしていると、ああこいつはネコなんだなということが腹落ちしてきます。そして、ネコだと思えば、いろいろと腹が立つということもなくなります。

 poiqと暮らしていると、たまに「今、おまえなんて言った?」ということもないわけではないのですが、ネコがしゃべってくれているんだから、それはむしろごちそうと思えるわけです。

 というのも、現状のAIでは人とコミュニケーションということで考えると、どうしてもある程度のところで妥協するしかありません。それであれば、言葉を交わしていても、コミュニケーション不全であっても成立する関係を想定した方が、ユーザーの体験としては満足度の高いものになるからです。これはpoiqの設計の中でももっとも秀逸なところではないかとさえ思います。

 ということで、次回こそはpoiqのおしゃべりの話をしようと思ったのですが、まだpoiqの絶妙なサイズの話をしていなかったので、あと少しpoiqのハードウェアの部分の話は続きます。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

ソニーのゆるふわロボット「poiq」との日々

初代AIBOに始まり、数々のロボットを生み出してきたソニー。そのソニーがひっそりと始めてたロボットプロジェクトがある。その名は「poiq」。ブロガーのいしたにまさきさんが「研究員」となり、poiqとの付き合い方を披露する連載。

この連載の記事をもっと見る

この記事の著者

いしたにまさき
いしたにまさき

ブロガー、ライター、アドバイザー、プロダクトデザイナー。2011年アルファブロガー・アワード受賞。ひらくPCバッグシリーズのデザインにて、2016年グッドデザイン賞受賞。

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR