走るガジェット「Tesla」に乗ってます
「EVって実はエコじゃないんじゃない?」 テスラにまつわる疑問にオーナーが答えてみた(2/4 ページ)
ESG視点で書かれた「インパクトレポート」を読んで!
ライフサイクルアセスメント(LCA)という視点から、製造時の温室効果ガスの排出量やバッテリーの廃棄処理の問題を声高に論じる向きもあります。Teslaがどのような姿勢でこの課題に取り組んでいるのかは「インパクトレポート」(PDF)で詳細に語られています。この分野の専門家ではない筆者には、難しく読み解けない部分もありますが、Teslaの存在に対し「サスティナブルではない」と否定的な意見をお持ちの方は、一読をお勧めします。ぜひ、その上で可否を判断してください。
インパクトレポートに、どのようなことが書かれているのか一部事例をあげましょう。Model 3およびModel Yの製造プロセスでは、同等の内燃機関車両に比べて温室効果ガス排出量が多くなっているそうです。しかし、6500マイル(1万460km)走行した時点で、同等の内燃機関のクルマよりもライフサイクル全体の排出量が少なくなる、とあります。
筆者の場合、現在、走行距離1万1000kmなので、現車を乗り続ける限り、エネルギー面においては、サスティナブルなクルマ生活を送ることができるということなのでしょう。
LCAについても言及しています。それによると、サプライチェーン排出量を計るスコープ1、2における温室効果ガス削減の取り組みについて、しっかりと数値を示して記述されています。加えて、スコープ3の排出量測定も開始しているとも記載されています。Teslaの場合、ユーザーの手に渡ったクルマの走行データに直接アクセスできるので、他のメーカーよりも相対的に正確な排出量を算出可能だと結ばれています。
スコープ1、2、3の意味については、環境省と経産省の「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」をご参照ください。インパクトレポートには、バッテリーの製造・廃棄・リサイクルにまつわるさまざまな課題についても、Teslaの取り組みや考え方が示されています。
こういった話をしても「企業の報告書なんて鉛筆をなめながら都合良く書ける」と言う向きもあるかもしれません。つまり、インパクトレポートの内容の信ぴょう性に疑問を呈する意見です。
ただ、考えてみましょう。現在は、企業の社会的責任が問われる時代です。株式を公開している企業であれば、株主や投資家に対し、非財務情報(ESG関連の取り組み)を開示することで、高い評価を得る努力をすることが当然となりつつあります。
世の中には会計処理を粉飾する企業もあるくらいなので「鉛筆なめなめ」が絶対ないとはいえません。ただ、それが表面化した場合の信用失墜といった負の側面を考慮すると、あまりにリスキーな行為に映ります。筆者としては「ない」と信じています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
走るガジェット「Tesla」に乗ってます
「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、主にデジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
5
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
6
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
7
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
8
B級感がたまらない? 映画「ストリートファイター」の魅力と原作ゲームの歴史、ゲーマーマンガ家が熱弁
-
9
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
10
ジャック・ドーシー氏率いるBlock、音声だけで学習した全二重音声モデル「Dessa」発表 「人と話しているよう」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR