人格コピーAIは21世紀の写真? “亡き妻のAI再現”で受賞の松尾Pと「AIの遺電子」山田胡瓜が考える「デジタル人格」のこれから(3/5 ページ)
山田 自分が読んだ本が正しければなんですが、インカ帝国の皇帝が死んだときって、その後も生きているときと同じようなことをするんですって。生きていたときの従者が、ミイラの洋服を着替えさせるとか身の回りのお世話をする。すると雇用が維持されて財産も守られる。それがデジタルで復活するんじゃないかと。だからデジタルゾンビ、デジタルミイラみたいなものがアツくなるかもしれない。
松尾 仏壇の陰膳はそれに近いかもしれないですね。仏様のご飯として供えるけど、実際はあとで家族が食べる。
山田 今までは人間の想像力でやっていたんだけれど、AIの場合はインタラクションがある。写真が生まれる前は絵に描くか頭の中で想像して「ああいう人だったな」と思い出していたが、AIになるとそのAIが「こういう人だった」になる。
それは完全にその人ではないかもしれないけれど、写真もぶっちゃけそうだし、特に最近は後処理で盛ったりして実物と変わることも多い。いろんなことがそういう側面を持っていて、実はデジタルゾンビが出てきてもあまり変わらないんじゃないかと。今まで扱えなかった受け答えみたいなものを扱えるようになってきたってことかもしれない。写真も初めは高精細ではなかったけど、技術の進歩で高精細になってきた。
そんな感じで人格のふるまいも、最初は荒いけどだんだんその人に迫ってくるかも。それの最先端を松尾さんは走っているなと思っています。
松尾 ありがとうございます。
奥さんのAI生成画像 ちょっと違うものが出てきたときにどう感じる?
山田 これまでも奥様の声の再現に取り組まれていましたが、音声再現も再現度の高いAIが出てきてそれを使ったり、写真と組み合わせてミュージックビデオも作られたわけですが、いままでと違う心境は生まれますか?
松尾 一番大きいのは「あ、かわいいな」っていう。
山田 www
松尾 単純にうれしい。声だけでもうれしかったし、一緒にデュエットできることは楽しいんだけれど、やっぱり写真があって、今は歌声に合わせてリップシンクもできる。まだリアルさが足りない部分はあるんだけど、もう少しすれば本人が歌っている姿の動画も作れるようになる。同じような技術を使ってVtuberがリアル系の顔を使って、コンテンツはChatGPTで生成して、みたいなことをやっている。それを将来的には妻でもできるようになるかも。
山田 ちょっと本人とは違うというものが出てきたときにはどんな気持ちになるんですか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「AIの遺電子」と探る未来
7月開始のテレビアニメで注目を集める、人とヒューマノイドの共存を描いた近未来SF「AIの遺電子」。作者とAI専門家との連続対談がここに実現。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
3
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
-
9
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
10
「漏えい」の一言で素通り客が振り返る──相次ぐ情報流出の中で開幕のセキュリティ展示会 来場者の態度も激変
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR