小寺信良のIT大作戦
ポタ電で7年連続国内トップシェア、Jackeryの強みとは?(3/4 ページ)
バッテリーより広いソーラーパネル生産ライン
続いて別の場所にあるソーラーパネル工場を見学した。こちらは工場というよりも、見た目は都心にある大学のキャンパスのように見える。あいにく撮影禁止エリアなので写真はないが、中庭を囲むように高い建物がいくつもあり、連絡通路で繋がっている。
この建物の中に様々なメーカーの工場があり、そこで働く人たちが居住するマンションも同じ敷地内にある。もしここに住んで働くなら、通勤時間は1~2分である。こうした「生活を現場に持ってくる」という工業団地的なスタイルは、日本でも高度経済成長期には見られたところだが、昨今はすっかり廃れてしまった。
ソーラーパネル製造ラインは、面積ではバッテリー製造ラインよりも広い。横に広げて製造するため、どうしてもそれなりの面積が必要になるわけだ。ここで年間100万枚のソーラーパネルを生産している。
バッテリーセルは専業メーカーからの調達品だが、まずはウエハーからセルを短冊状に切り出していく。ソーラーパネル100Wの製造には、約7.5Wの発電能力を持つセルセットが15枚必要である。よってカットしたセルを金属コードで接続して、25Wのセットを組み立てる。このセットごとに発電性能をチェックし、不良品を弾いている。
発電効率を上げるため、EVAフィルム(糊)を挟んでこの7Wセルを積層し、高温・高圧で圧縮して一体化する。EVAフィルムは最初は乳白色だが、高温圧縮すると透明化するので、太陽光を透過する。
拝見した製造ラインでは、1枚で85W発電するパネルを6枚連結し、500Wのソーラーパネルを製造していた。アメリカ市場向けのパネルで、ベランダに設置することを想定した製品である。
同じくアメリカ市場向けとして、屋根材そのものに発電機能を持たせた「ソーラー瓦」が大量に出荷を待っていた。これは波形の屋根材だが、中にセルを埋め込んであり、連結することで屋根全体がソーラーパネル化するという仕組みである。色は黒とダークブラウンがあるが、発電効率は変わらないという。
東京では2025年4月から、大手ハウスメーカー等が新築する延床面積2000m2未満の建物を対象に、太陽光パネル設置等が義務付けられたが、基本的には屋根の上にソーラーパネルを設置することが想定されている。日本でもこうした屋根材の認可が下りれば、設置のハードルはもっと下がるだろう。新築だけでなく、既存の瓦を外してこれに入れ替えることもできる。
また考えられる課題としては、陽が当たらない北側の屋根にも同じコストをかけてソーラー瓦を積載しないといけないのか、という問題がある。そうしないと屋根のデザインが合わなくなるからだ。こうした問題に対処するため、ソーラー機能がない同じデザインのダミー瓦も製造されている。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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