小寺信良のIT大作戦
「BeReal」──若者特有の同調心理を巧みに刺激する“自己露出型サービス”の功罪(1/4 ページ)
SNSに起因する情報漏えいや炎上事件は枚挙にいとまがないところだが、今年に入ってから顕著になってきたのが、「BeReal(ビーリアル)」からの情報漏えい事件である。
BeRealは2020年にサービスを開始した写真投稿型のSNSで、日本で知られるようになったのはまだコロナ禍の22年頃のことである。最初に存在を知ったのは当時高校1年生だった娘からで、「また妙なものが流行り始めたな」と危惧したことを覚えている。
若い世代には、時折自虐的とも言える自己露出系のサービスが流行する。それ以前に流行ったのは、位置情報共有アプリ「Zenly」だった。奇しくもBeRealと同じフランス発のサービスで、自分の位置情報を公開し、つながっている相手が今いる場所を確認できた。滞在時間や移動速度、スマホの充電残量まで共有される。このサービスは23年に終了している。
BeRealは、写真を共有する自己露出型のサービスだ。その特徴をまとめると、以下のようになる。
1. 写真投稿可能なタイミングは1日1回、全員に突然通知される
2. 写真は前後のカメラで同時に撮影したものに固定される
3. 写真投稿は2分以内に行わなければならない
4. 成功すれば、好きな時に追加で投稿できる
5. 遅れた場合は遅延時間が表示される
6. 撮り直しするとその回数が表示される
7. 写真の加工はできない
8. 公開範囲は友達、もしくは友達の友達
9. 投稿しないと他の人の投稿が見られない
10. 投稿した写真は24時間で消える
25年のサイバーエージェントの調査によれば、BeRealの利用者は、他のサービスに比べてZ世代(17歳~28歳)に大きく偏っており、Z世代22.8%、上世代0.8%で、その差は22.0ptもある。 また23年から過去3年間の調査でも、主要SNSがZ世代の利用率を落とす中、唯一利用が伸びているSNSであるという。
では、なぜ青年層は、BeRealにハマるのだろうか。その特徴を順に分析してみたい。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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