全国の「歴史の古い草原」分布を初めて地図化──シンク・ネイチャー
シンク・ネイチャー(沖縄県浦添市)のサイエンスチームは、100年以上にわたって人為的な管理が継続されてきた「歴史の古い半自然草原(古草原)」の分布を地図化し、閲覧用のWebサイト「日本の古草原ウォッチ(Japanese Old Grassland Watch)」を公開した。研究成果は、生態学の国際学術誌「Ecological Research」に20日付で掲載された。
同社によると、草原は火入れや採草、放牧など人間の管理によって森林への遷移が抑えられ成立する生態系であり、日本での面積は国土のごく一部ではあるものの生物多様性の高い生態系だという。近年の研究で地域住民の資源利用と結びついてきた「半自然草原」は、原生的な自然草原や成立の浅い二次的草原とは異なる生態系であることが分かってきたが、どこにどれだけ残っているかは可視化されていなかった。
今回の研究では、100年以上にわたり草本植生が継続してきた土地を「歴史の古い半自然草原」と定義し、複数時点の地図資料や統計データを統合する独自の手法により、1ha以上の歴史の古い草原について、その分布を全国規模で明らかにした。解析の結果、現存する古草原は2654件のポリゴン(区画)として特定され、その総面積は5万8872ヘクタール、日本の国土面積の0.16%にとどまることが判明した。
日本の古草原ウォッチでは、このような分布データを地図上でインタラクティブに確認できる。また半自然草原全体の分布密度を示す「SNG」レイヤーや、植物・動物・全種を対象とした保全優先度ランキング(上位5/15/30地域)など、複数のレイヤーを切り替えながら閲覧が可能。これらのデータは研究目的のほか、自治体などにおける生物多様性地域戦略の策定や自然共生サイト認定候補地の抽出、開発事業における環境配慮の検討、防災・減災施策との連携など幅広い活用を想定している。
この記事について
この記事は、地図と位置情報のニュースを中心とした情報サイト「GeoNews」から転載、加筆したものです。URLはこちら。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
防衛省の「クーラー300台」投稿動画でビックカメラのトラックが注目を集める 同社「販売用の在庫を迅速に提供」
-
2
「文スト」スマホゲーム、きょう告知→あす終了 突然のサ終にユーザー混乱 運営元の廃業で
-
3
ドコモ、ahamoを30→40GBに増量 8月1日から 料金据え置きの新キャンペーン
-
4
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
5
イオンモール熊本のドローン捜索、状況を現場キーマンに聞いた 撮影を阻んだのは……
-
6
熊本「通れた道」マップ、トヨタが公開 ホンダも「通行実績情報マップ」
-
7
“ダサい”不評の「ドコモの銀行」、従来のアプリアイコン選択可能に 「ご意見・ご要望も踏まえ」
-
8
「楽天ドライブ」アプリから「データ漏洩」「ハッキングした」通知? 運営元「緊急調査中」「通知を開かないで」
-
9
熊本地震の被害推定、衛星データ基に地図化 現地の航空写真400枚超も公開 国際航業
-
10
「不気味の谷を越えた」? 中国の美男美女型ロボット「U1」話題 286万円から
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR