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AIに人生相談、約8割が言われた通り行動 でも幸福度上がらず 英研究機関が6000人調査
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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
英国の研究機関UK AI Security Instituteと医療系AI企業Limbic AIに所属する研究者らが発表した論文「People readily follow personal advice from AI but it does not improve their well-being」は、日常的な悩みをAIに相談した際、人がその助言通りに行動するのか、またそれが精神的な健康にどう影響するのかを調査した研究報告だ。
近年、健康やキャリア、人間関係といった個人的な悩みをAIチャットbotに相談する人が急増している。しかし、人々が実際にAIの助言に従っているのか、そしてそれが個人の精神的な健康や幸福感(ウェルビーイング)の向上に役立っているのかは、これまで明らかになっていなかった。
研究チームは英国の成人6474人を対象とした調査を行った。実験では、参加者をGPT-4o、Llama-3.3-70B、Gemini 3 ProといったAIと20分間会話させるグループに分けた。一部の参加者には個人的な悩みを相談してもらい、比較のための別のグループには趣味や関心事について単なる雑談をしてもらった。
実験の結果、個人的な悩みを相談した参加者の約75%~79%が、その後の数週間のうちに、AIからのアドバイスを実際に実行したと報告した。趣味を語った対照群の55.4%を上回った。
さらに、そのアドバイスが生活に影響を及ぼすようなリスクの高い内容であっても、65%以上の人がAIの助言に従っていた。人は結果の重大さにあまり関わらず、AIの言葉を比較的簡単に受け入れ、現実の行動に移してしまう傾向があった。
このように人々の行動に影響を与えているにもかかわらず、AIの助言は持続的なメリットをもたらしていなかった。2~3週間後に行われた追跡調査では、悩みを相談してアドバイスを受けたグループの幸福度は、AIと趣味の雑談をしたグループと比べて、意味のある向上は見られなかった。
それどころか会話直後の時点では、個人的な悩みを相談したグループの方が、雑談をしたグループよりも幸福度が低い水準にとどまっていた。ただしこの差も数週間後には消え、両グループとも元の水準に戻っていた。
また、アドバイスに従ったと答えた人では幸福度の上昇が見られたが、それは趣味に関する助言に従ったグループでも同様であり、個人的な悩みを相談したこと特有の効果とは言えなかった。
Source and Image Credits: Luettgau, Lennart, et al. “People readily follow personal advice from AI but it does not improve their well-being.” arXiv preprint arXiv:2511.15352 (2025).
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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
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