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生体を利用したバイオ光センサーを世界初試作 産総研など

» 2004年03月17日 16時48分 公開
[ITmedia]

 独立行政法人の産業技術総合研究所(産総研)などの研究グループは3月17日、生体組織と半導体素子を組み合わせたバイオ光センサーの試作に世界で初めて成功したと発表した。半導体素子が主流の撮像素子や発光デバイスなどへの応用を図っていく。

 試作したのは産総研の光技術研究部門と東京理科大学、東京大学、静岡大学、東京工業大学の研究グループ。

photo 試作したバイオ光センサーの模式図

 グループは、温泉などに生息する藍色細菌から抽出した光受容体たん白を抽出。分子配線と組み合わせ、FET上に集積したところ、光電子変換素子としての動作を確認した。

 デジタルカメラに利用されているCCDやCMOSといった半導体撮像素子は、画素ピッチの微細化・集積が進むにつれ発熱量が増え、感度の向上が難しいという課題が指摘されている。試作に使った光受容体は赤色光に対してほぼ100%の光電変換の量子収率を持つなど効率が高く、集積に成功すれば発熱が少なく省電力な撮像素子も実現可能だとしている。

 成果は同日開幕した「国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」(東京ビッグサイト、19日まで)の産総研ブースで公開する。

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