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ミネベアが日本電産を提訴 HDD用流体軸受けモーター特許絡みで

» 2004年03月30日 14時55分 公開
[ITmedia]

 ミネベアは3月29日、同社のHDD用流体軸受けモーターの製造・販売差し止め請求権を日本電産が持たないことの確認を求めて、日本電産を東京地裁に提訴したと明らかにした。

 ミネベアによると、日本電産は3月2日、日本電産の特許(特許番号第3134304)が、ミネベアのHDD用流体動圧軸受けモーターに含まれているとし、ミネベアに対してライセンス料支払いを求めた。これに対してミネベアは、4月5日に回答すると通知したが、日本電産は3月26日になって「ライセンス購入を至急受諾しない場合、ミネベアに対して今月中に訴えを提起する」とミネベアに通達したという。

 ミネベアは、「当該モーターを精査、特許を侵害していないことを確認した」としている。このため日本電産から提訴された場合、同モーターが特許権を侵害しているとの風評が生じる恐れがあり、営業活動に悪影響を及ぼすと判断したため訴訟を起こしたとしている、

 この件に対して日本電産の広報宣伝部は「訴状を見ていないのでコメントできない」と前置きした上で、「ミネベアとの特許に関する交渉は、昨年11月から5カ月間続けてきた。ミネベアからの回答も、4月5日まで待つ準備があった。今になって突然法的措置を取られて、困惑している」とコメントしている。

 日本電産は情報機器向けモーター売り上げで世界トップ。ミネベアは松下電器産業と小型モーター事業を統合、今春をめどに合弁会社を設立して事業を移管する予定で、合弁会社の売り上げは日本電産に次いで世界2位となる。

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