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WindowsとLinux、両対応のシンクライアント発売

» 2004年04月08日 14時47分 公開
[IDG Japan]
IDG

 デスクトップ用OSの座をめぐりLinuxとWindowsの争いが激化する中、シンクライアントの大手ベンダーである米Neoware Systemsは今週、LinuxとWindowsの両方に対応する199ドルのアプライアンス「Capio One」を発表した。

 Capio OneはCitrix SystemsのICA、MicrosoftのRDP、またはNeowareのTeemTalkを用いて、メインフレームやミッドレンジ、Linux、UNIX、Windowsなど各種システムにホストアクセスする。

 Neowareのマイク・カントロビッツCEO(最高経営責任者)は、「当社は顧客にLinuxやWindows CE/XP EmbeddedのシングルOSのプラットフォームを提供している。だが、当社のビジネスの50%はLinuxだ。デスクトップLinuxと同じようなもので、そうした顧客の大半は、Windowsサーバに接続し、WindowsアプリケーションをWindows環境と比べても遜色ないスピードで実行している」と語っている。

 同氏によれば、セキュリティを強化する目的で、Capio OneのOSはリードオンリーになっている。

 NeowareはCapio Oneのほかに「Eon」製品シリーズを発表。379ドルのe100は、Windows CE/XP Embedded、およびLinuxをサポートし、OSが交換可能だ。949ドルのe300も仕様はほぼ同じだが、フラットパネルディスプレイがついてくる。1299ドルのe500はTablet PCのフォームファクターを採用している。

 同社はさらに「Open Management」戦略を発表した。これは最初の導入の際に、シンクライアントをIBM Tivoli、Microsoft Systems Management Server、Altiris Deployment Solutionなどの管理ツールに対応させるというもの。カントロビッツ氏によれば、同社は今後、そのほかのベンダーの企業向けツールもサポートしていく方針という。

 「シンクライアント(の管理システム)はこれまでプロプライエタリ過ぎた。シンクライアントは既存のITシステムに統合する必要がある」と同氏は語っている。

 IDCのパーソナルテクノロジー担当ディクレター、ボブ・オドネル氏は、シンクライアントはさまざまなレベルで役立ち、サポートコストも少なくて済み、セキュリティ面でも優れ、社内中にソフトを導入するのも簡単だという事実があると指摘。それにもかかわらず、シンクライアント市場がくすぶり続けているのには別に問題があるからだと述べている。

 「問題は、PCからシンクライアントへの移行だ。何より、人々は何が問題かを分かっていない。シンクライアントをどのように動かせばいいのか、シンクライアントにはどのような可能性があるのかといったことを知らずにいる。主要な問題であるインフラをどのように変えるべきかを分かっていないのだ」とオドネル氏。

 それでも、Neowareのカントロビッツ氏によれば、シンクライアントの導入は企業の間で着実に進んでおり、シンクライアントはより主流へと向かいつつあるという。

 「IKEAは世界中の店舗とバックオフィスで当社のアプライアンスを使っている」と同氏。

 また同氏は、シンクライアントは2008年までにPC市場全体の2%にまで成長する可能性があるというIDCの予測について、「Appleの市場シェアは2.5%だ。われわれはそれに追いつきつつある」と語っている。

 現在、同社の新モデルはすべて出荷中だ。

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