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Xerox、プラスチック製トランジスタ実現の技術開発

» 2004年04月17日 09時25分 公開
[ITmedia]

 米Xeroxは4月16日、プラスチック製のトランジスタ製造につながる半導体インクと新素材を開発したと発表した。弾力性を備え、くるくると丸められるようなテレビ画面やコンピュータディスプレイの実現に一歩近づいたとしている。

 同社によると、この高性能の半導体インクでは、半導体のトランジスタ回路を低温の外気の中で印刷することができるため、製造コストの削減が可能。

 一方カナダXerox研究センターの研究チームは、導体と誘電部品印刷のための新素材を開発した。これでプラスチック回路の製造に必要な半導体、導体、誘電体の3要素がすべて、インクジェット技術を使って印刷できるようになるかもしれないと同社は説明している。

 こうした技術はいずれ、低価格のフラットパネルや柔軟性を備えたディスプレイ、およびRFIDタグといったマイクロエレクトロニクス分野にも応用できる可能性がある。

 カナダの研究チームを率いるベン・オング氏は米サンフランシスコで開催の半導体研究学会の春季会合でこの成果を報告。「液体処理に対応できるこれら3素材を開発したことは、回転塗布法、スクリーン印刷、型紙捺染、オフセット印刷、インクジェットといった一般的な液体蒸着技術を使った低コストで柔軟性のあるプラスチック製トランジスタ回路の実現につながるかもしれない」と話している。

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