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公取委「NTTの光ファイバー開放義務、見直す必要なし」

» 2004年04月27日 19時11分 公開
[ITmedia]

 公正取引委員会は4月27日、ブロードバンドサービスの競争実態について調べた結果をまとめた。FTTHについて、現段階ではNTT東西地域会社による事実上の囲い込みが生じる可能性があるとし、「NTT東西の光ファイバー開放義務については必ずしも見直す必要がない」と結論している。

 FTTHでは、2003年12月末時点でNTT東西のシェアは73.2%と「圧倒的」(公取委)。開放義務についてはNTT側から異議も出ているが、「是非を検討する際は慎重な対応が必要」とした。

 また電力系各社の光ファイバー設備はNTT東西の設備ほどFTTH事業者からの依存度が高くなく、現状では開放義務をかける必要性は高くないとした。ただ将来、電力系光ファイバーの利便性が高まった場合、NTT東西のみに開放義務がある「非対称性規制」の是非は検討する必要がある、と含みを残した。

 ADSLではNTT東西とソフトバンクBBがシェア約36%で拮抗しており、「寡占化の傾向にあると考えられるため、引き続き監視が必要」として競争を制限する行為には独占禁止法により厳正に対応する方針を示した。

 無線LANやFWAについては、5GHz帯の帯域不足が事業展開の障害になっているとの事業者側の声を取り上げ、「周波数割り当ての抜本的な見直しについて検討が必要」と提言した。

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