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セキュリティ問題深刻化、対策ソフト更新も追いつかず

» 2004年04月28日 08時36分 公開
[ITmedia]

 英国企業がウイルスなどの攻撃を受ける件数は増大しており、ウイルス対策ソフトやOSのセキュリティパッチでは対策が行き届かない面もあることが、4月27日発表された英国企業のセキュリティ調査報告書「Information Security Breaches Survey 2004」で浮き彫りになった。

 この調査は2年ごとに行われているもので、英政府機関の委託でPricewaterhouseCoopersが実施。今回の調査では、英国の平均的な企業には年間で約20種類のウイルスが届いていることが判明、大企業の場合は平均して1週間に1種類の割合でウイルスを受信していた。

 ウイルス対策の必要性は広く認識されており、93%はウイルス対策ソフトを導入、うち59%は新しいウイルスが登場次第、ソフトのアップデートを行っている。それでも半数(大企業では3分の2)が昨年中にウイルスに感染。ウイルスが従来型の対策ソフトを回避し、OSの脆弱性を標的とするケースが増えており、最新のセキュリティパッチでOSを常に最新の状態に保つプロセスでは万全でない場合もあると、報告書は指摘している。

 セキュリティ問題も増加の一途にあり、企業の3分の2が、過去1年間でウイルス、不正アクセス、システムの不正利用など何らかのセキュリティ問題に見舞われた。2年前の調査ではこの率は半数に満たなかった。問題の中で最も多かったのは、ウイルス感染と従業員によるシステムの不正利用だった。

 社内で起きた最も深刻なせキュリティ問題にかかったコストは平均1万ポンド。大企業の場合は12万ポンドに上っている。中には1カ月以上にわたって業務に支障をきたした組織もあった。

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