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SCOに訴えられたAutoZoneが裁判保留を要請

» 2004年04月28日 10時16分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米SCO Groupから訴訟を起こされたLinuxユーザー企業の1社であるAutoZoneが、SCOの関係するほかの3件の訴訟の決着が付くまで、裁判を保留するよう裁判所に要請した。またAutoZoneは、SCOはどの著作権が侵害されたかを明確にしていないと苦情を述べている。

 AutoZoneは自動車部品の販売業者。同社はネバダ州の米連邦地裁に先週末、保留要請を書面で提出した。この書類の中で同社は、LinuxがSCO保有の著作権を侵害しているかどうか、およびSCOがそもそもUNIXの著作権を保有しているのかどうかは、IBM、Red Hat、Novellを当事者とする訴訟でも取り上げられていると指摘し、「SCOがAutoZoneに対して掲げている容疑の重要部分は、(IBM、Red Hat、Novellの)訴訟によって解決するだろう」と述べている。

 SCOは3月、Linuxを利用することで同社保有のUNIX著作権を侵害したとしてAutoZoneと自動車大手のDimlerChryslerを提訴した(3月4日の記事参照)。またSCOはそれ以前から、IBM、Novell、Red Hatとの訴訟を抱えている。

 AutoZoneとDaimlerChryslerはいずれも、過去にSCOと取引があった。AutoZoneはかつて、米国内の約500のPOSシステムでSCOのUNIXを採用している。

 デラウェア州の米連邦地裁は先日、SCOとRed Hatの訴訟を保留扱いとした(4月8日の記事参照)。理由は、取り上げられている著作権問題の多くがSCOとIBMの訴訟とだぶっており、「二つの異なる法廷が同じ問題を裁くのは司法資源の無駄遣い」(担当判事)と判断したため。AutoZoneは今回提出の書類で、この判断を引用している。

 AutoZoneは、ネバダ州の連邦地裁に、もし訴訟保留要求が受け入れられない場合は、SCOにもっと詳細な情報を提示させるよう求めている。

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