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GPL守るFSF、SCOの召喚状を拒否

» 2004年05月20日 13時22分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Linuxに採用されているオープンソースライセンス、General Public License(GPL)を作成した組織であるFree Software Foundation(FSF)は、米SCO Groupによる召喚状で求められた資料を一切提出しない考えだ。SCOは多額の賠償金を求めてIBMを提訴し、11月にFSFへ召喚状を送付している(2003年11月13日の記事参照)。

 FSFは5月18日、Webサイトに同団体のエグゼクティブディレクター、ブラッドリー・クーン氏の手による次のような声明を掲載した。「要求された資料を一切提出する考えはない。特にGPLの保全にかかわる場合、われわれの法で守られた信頼を裏切るつもりはない」

 SCOは、「GPLはFSFによってのみ行使されるものだ」として、GPLの法的行使力に疑問を投げ掛けている(2003年10月28日の記事参照)。

 一方、SCOと係争中のIBMは、SCOは最近までLinux製品を販売していたのだからLinuxの利用に対して料金を徴収するのはGPL違反だと主張している。

 SCO広報担当のブレーク・ストーウェル氏によると、同社はIBMとの訴訟で自社に有利な証拠を得る目的でFSFに召喚状を送付した。「IBMがGPLを盾に使うつもりなら、そしてIBMとFSFの間に何らか協力関係があるのなら、それが何であるのかを知りたい」と同氏。

 FSFのクーン氏によると、SCOの召喚状は「GPLと、1999年以降のGPL行使にかかわる文書を、事実上1枚残らず要求している」という。

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