東京大学、情報通信研究機構、NTTコミュニケーションズ、国立天文台、理化学研究所による研究グループはこのほど、世界最速のスーパーコンピュータの開発プロジェクト「GRAPE-DRプロジェクト」に着手したと発表した。2008年までに2P(ペタ)FLOPS(1秒間に2000兆回)の計算速度の達成と、40Gbpsネットワークを利用した科学技術研究データ処理システムの構築を目指す。
2PFLOPSは、現時点で世界最速の「地球シミュレータ」の50倍、米エネルギー省がこのほど開発を発表したスーパーコンピュータ(関連記事参照)の40倍の速度。世界の超高速計算システムプロジェクト中で最も早期に1PFLOPSを超える予定だという。
東京大の牧野淳一郎助教授らが2001年に完成させた、最高32TFLOPS(現在は最高64TFLOPS)の演算が可能な天体シミュレーション用スーパーコンピュータ「GRAPE-6」(関連記事参照)の研究などで培われた超並列計算方式を汎用化した。200万個の演算プロセッサをラック10本以下のサイズに超高密度に集積し、2PFLOPSを達成するとしている。
GRAPE-6は、特定の問題を解くための専門コンピュータだったが、GRAPE-DRは天体シミュレーション、分子動力学計算、ゲノムの解読など、幅広い分野で利用できるようにする。
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