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» 2004年06月01日 19時39分 公開

東芝の組み込みプロセッサ「MeP」、提携先が独自売り込み

東芝は組み込みプロセッサ「MeP」の普及に向け、直接サポートなしでのマーケティング活動をパートナー企業に認めた。横の展開によってMePを推進する考えだが、これは東芝にとって「諸刃の剣」でもある。

[中嶋嘉祐,ITmedia]

 東芝の組み込みプロセッサ「Media embedded Processor」(MeP)の普及に向け、パートナー企業が東芝の直接サポートなしでMePを売り込む。MePアライアンス・パートナー12社は6月1日、共同マーケティング活動を展開することで合意したと発表した。東芝もこれを支持するが、同社にとっては「諸刃の刃」でもある。

 MePはコンフィギュラブルなプロセッサ。映像・音楽などのメディア処理に長ける。デジタル家電、車載コンピュータ、携帯電話など、各種用途にカスタマイズするための設計資産を再利用しやすく、SoCの開発期間を短縮できる。パートナー各社は、既存のDSPや組み込みプロセッサに代わる新しい選択肢だと位置付けている。

 SoCの設計開発にはソフトウェア開発や高位設計・論理設計用のツール群、設計サービスなどが必要になる。パートナー各社は力を合わせ、東芝とは別に、それに匹敵する一貫した開発フローを提供し、顧客の選択肢を広げる考えだ。

 今回の取り組みに参加する企業は、Red Hatのほか、アドバンスドデータコントロールズ、インターデザイン・テクノロジー、沖ネッワークエルエスアイ、シーデックス、ソフィアシステムズ、大日本印刷、日本シノプシス、パシフィック・デザイン、Celoxica、CoWare、Sonicsの12社。

photo 参加企業の面々

 12社は8月26日に東京国際フォーラムで「MeP World 2004」を開催、各社が扱うツール群や開発環境のデモを披露する。東芝が今秋米国で開催する「MeP USER FORUM in US」にも参加するほか、共同運営サイト「MeP OPEN Collaboration」を近日中に開設する。

東芝にとっては「諸刃の剣」

 東芝セミコンダクターの森安俊紀副社長は、「顧客の選択の幅が広がる」ことを理由に、この取り組みを支持すると話した。業界的には「ユニーク」な取り組みだとする。

 ただし同氏は、これは「諸刃の剣」だと説明。半導体の製造を東芝以外のファウンドリメーカーにも認めることにもなると指摘している。東芝はこの取り組みをめぐるライセンス体系については説明を避けた。

 また、参加企業のうちの1社、パシフィック・デザインは、MePと競合するコンフィギュラブルプロセッサを手掛けている。森安氏は「技術的に見れば競合になる。だが、コンフィギュラブルプロセッサが開拓できる分野は、家電や携帯など幅広い。まずはコンフィギュラブルプロセッサの市場を広げていくことが重要だ」とコメントした。

 「MeP技術は東芝製品にはかなり普及した。今後は世界的な横展開を進めていきたい。今年を大きな飛躍の年にしたい」と森安氏。2〜3年後にはCELLと連携させて市場を拡大させていきたいとその展望を示した。

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