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2003年のEC市場、6割の伸び B2Cは5年で69倍に

» 2004年06月11日 21時40分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 経済産業省、電子商取引推進協議会(ECOM)、NTTデータ経営研究所は6月11日、2003年の国内の電子商取引(EC)の市場規模調査の結果を発表した。B2C(企業−消費者間)市場規模は前年比64.8%の4兆4240億円、従来型EDIを含まないB2B(企業間)市場規模は同67.2%増の77兆4320億円。1998年からの5年間で、B2Cは約69倍に、B2Bは約9倍に伸びたとしている。

 B2C市場は、常時接続の普及を追い風に順調に拡大。特に「金融」(同185.3%増の2150億円)、「趣味・雑貨・家具」(同128.4%増の2490億円)、「書籍・音楽」(前年比111.3%増の1310億円)、「旅行」(同78.9%増の4740億円)などの分野が大きく伸びている。

 「エンターテインメント」分野も75.5%増の3370億円に成長。このうち2020億円がモバイルコマースによるもので、「『着うた』が圧倒的支持を受けた」(同社)ことが追い風となった。B2C市場の17.6%の7770億円がモバイルEC市場で、前年比約2.4倍に成長している。

 B2C全体では、従来からECを行なっている企業が好調に伸びたのに加え、中小ショップでも他にはない安さを訴求したり、ネットでしか買えないものを売るなど「一芸に秀でた」(同社)店が広がりを見せているという。

 B2B市場の拡大をけん引したのは自動車産業で、前年比62.6%増の28兆490億円だった。メーカーから販社への自動車のEC販売が伸びたほか、部品メーカ間のEC取り引きも確認され、「業界全体でECへの取り組みがすすんでいる」(同社)。

 電子・情報機器関連市場も同22.9%増の24兆2940億円。インターネットを利用した取り引きや、中小取引先とのEC取り引きが進み、すそ野が広がったという。

 このほか、工事請負発注のEC化が進んだ建設業界は前年の6.6倍となる3兆5490億円にふくらむなど、各業界でEC化が進んでいる。

 B2Bのうち、eマーケットプレイスでの取り引きは、同67.2%増の7兆8890億円。「全B2Bの1割程度がeマーケットプレイス経由の取り引きとなっている状況は、ここ数年と同じ」(同社)。

 また今回からVANや専用線など従来型EDIを利用したB2Bも調査した。市場規模は79兆6710億円。インターネットを利用したB2Bとほぼ同規模だった。

 調査は、各企業へのアンケートやインタビュー調査などの結果から、2003年の市場規模を推計した。

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