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IBMに従業員の発がん責任問う訴訟が終結

» 2004年06月24日 08時42分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米カリフォルニア州にあるIBMのHDDと半導体製造工場で働いていた元従業員らが、発がんの危険について知らされていなかったとしてIBMを訴えていた訴訟は、原告・被告双方の間で訴訟決着の合意が成立した。IBMの広報担当者が6月23日明らかにした。

 IBM広報のクリス・アンドリューズ氏によると、約50件の訴訟が決着して取り下げられたが、条件などは公表していない。この問題では2月に、元従業員2人が職場で有害な化学物質にさらされ、IBMが危険を認識した後も健康上のリスクに関する説明がなかったと主張していた訴訟で、原告側の訴えが退けられている。

 2月の判断を受けて、ロバート・ベインズ判事はIBMと原告の双方に対し、残る訴訟が審理に持ち込まれるのを避けるため、和解を勧告したとアンドリューズ氏は説明している。原告側弁護団長を務めるAlexander Hawes & Audetのリチャード・アレクサンダー氏にもコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。

 今回の訴訟は原告側にとって厳しいものになると見られていた。カリフォルニア州の法律の下では、IBMサンノゼ工場の化学物質が発がんの原因であるという証明に加え、その化学物質に発がん性があることをIBMが知っていながらこれにかかわる作業を続けさせたことも、原告側が証明する必要があった。

 IBMは一貫して、従業員を危険なレベルの化学物質にさらしたことはなく、化学物質の危険性について周知を図るためにできるだけの手は打ったと主張していた。

 同様の訴訟はニューヨーク州でも起こされ、カリフォルニア州よりは原告側に有利と見られていたが、こちらの訴訟は3月に和解が成立、和解金額は公表されていない。

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