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Microsoftは変わった? 欧州Tech EdでMSが示した「傲慢」姿勢の転換

» 2004年06月30日 08時47分 公開
[IDG Japan]
IDG

 何千人もの開発者やIT専門家が打ち鳴らすアフリカン・ドラムの轟音とともに、MicrosoftのTech Ed Europeカンファレンスが6月29日、オランダのアムステルダムで開幕した。Microsoftがこの太鼓を提供したというのは、リズムに合わせて顧客に踊ってもらおうというはからいにも思えるが、同社がついに顧客の声に耳を傾けるようになったことを示すものと受け止めた参加者も多かった。

 「当社は過去の行為を通じて、傲慢というレッテルを貼られてきた」。Microsoftの欧州、中東、アフリカ担当CTO、ジョナサン・マリー氏は開幕基調講演でこう認めている。同氏は開発者コミュニティーから寄せられたフィードバックへの対応をめぐって参加者から上がった批判の声に応え、Microsoftは過去数年間、このレッテルを変えようと務めてきたと語った。

 実際、Tech Ed Europe 2004では、意思の疎通を深めることで開発者コミュニティーの一層の拡大を図ろうとするMicrosoftの姿勢が明白に現れているようだ。この機を活用してアマチュア向けVisual StudioおよびSQL Serverの新シリーズ「Express」も投入している。この製品は幅広い採用を促すために、新規の開発者が自分のサービスに対応したアプリケーション開発に着手するためのキットとサンプルコードをAmazon.com、eBayおよびPayPalから提供、価格もまだ未公表だが低く抑えられる見通しだ。

 しかし参加者の多くはむしろ、Visual Studio 2005 β1リリースの方に注目しているようだ。これには開発チームがプロジェクトの進行状況をもっと効率的に把握できる「Visual Studio Team Architect Edition」が組み込まれる。

 実際、Visual Studio 2005は、Microsoftの「ダイナミックシステム戦略」の一環として初めて出荷される製品だとマリー氏は言う。この戦略は、製品のライフサイクルの中でコード作成、テスト、実装の段階をもっと緊密に統合することを目的としており、製品リリース前に顧客のフィードバックを得ることは今や、Microsoftが何を提供するかを決める上で重要な一部になっていると同氏は言い添えた。

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