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SUSだけじゃなかった、MSのパッチ管理ツールのリリース遅れ

» 2004年07月15日 10時03分 公開
[IDG Japan]
IDG

 トロントで開催されているWorldwide Partner Conferenceで述べられた、パートナー戦略に関する話題の中で、Microsoftは製品ロードマップの詳細を明らかにした。それによると、Windows Update Services(WUS)パッチ管理ツールの出荷がまたもや遅れる。このツールはSystem Update Services (SUS) 2.0と呼ばれていたもので、もともとは今年の早い時期に出荷予定されていたが、3月の時点で、リリースを2004年下半期に延期すると発表した。

 WUSの遅れにより、Windows Update Webサイトの後継となる「Microsoft Update」への移行も延期されることになる。Microsoft UpdateはWindowsだけでなく、Microsoft製品すべてのパッチを提供するもので、当初のリリース予定は2004年前半だった。

 Windows Update Services(WUS)は無償のWindows Server用のアドインで、Microsoft製品のパッチの取得と適用を自動化する。テクニカルプレビュー

が今年初めにリリースされた。A technical preview was released early this year. Microsoftによれば、WUSの前身であるSUS 1.0は現在、15万台の企業内サーバで利用され、アップデートを受信しているという。

 WUSとMicrosoft Updateが1年遅れるのに加え、MicrosoftはSystem Center 2005が2005年前半までリリースされないことを明らかにした。System CenterはMicrosoft Operations Manager (MOM) 2005とSystems Management Server (SMS) 2003にバンドルされて今年中に出荷される予定だった。System Center 2005はMOMとSMSをリンクし、共通のインタフェースで2つの管理ツールから情報を取り出しレポーティングサービスを提供する。

 System Centerは、ITの繁雑さをソフトウェア管理の改善により軽減するという、MicrosoftのDynamic Systems Initiative (DSI) 計画の一部となっている。MicrosoftはITプロフェッショナルは業務時間の70%を管理システムに費やしているとの調査結果を、このイベントで見せた。同社ではタスクの自動化によってこの時間を削減したいとしている。

 Microsoftによれば、WUSの遅れは開発チームがWindowsクライアント用の新しいアップデートエージェントを完成させるのを優先させたからだという。この新しいエージェントはWindows XP SP2に搭載される。Windows XP SP2は当初予定から数カ月遅れで8月にリリース予定。

 「スケジュールには遅れが出ている」とMicrosoftのスティーブ・バルマーCEOは7月13日に行われた基調講演で述べたが、聴衆は笑ってこれを受け入れた。

 しかし、このイベントにおけるMicrosoftの製品関連ニュースは製品リリースの遅延ばかりではない。同社はInternet Security and Acceleration (ISA) Server 2004 Standard Editionの出荷開始を発表し、Enterprise Editionが年末までに出荷されると発表した。

 Microsoftは2005年前半にリリース予定のWindows Server 2003 R2に搭載されるNetwork Access Protection (NAP) について詳細を明らかにした。ウイルス対策、ファイアウォール、ポリシー管理、パッチ管理、ネットワークベンダーなど既に25社のパートナー企業がNAPをサポートする契約を結んでいるという。

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