ITmedia NEWS >

テロと戦うBlackBerry

» 2004年08月18日 18時30分 公開
[IDG Japan]
IDG

 長らくビジネスマン必須のガジェットだったResearch In Motion(RIM)のワイヤレスデバイス「BlackBerry」が、米国のテロ対策に加わった。

 ボストンのローガン国際空港をパトロールするマサチューセッツ州警察の警官は、BlackBerryで不審人物・不審車両の身元確認を行っている。警官はこのデバイスを用い、現場で入手した情報を、LocatePlusのインターネットベースのXMLデータベースと比較する。LocatePlusの100テラバイトのリレーショナルデータベースには、2億人を超える米国民に関する情報が格納されていると同社は説明している。

 このデータベースは、自動車の運転記録など、各種の公機関・私機関のデータを統合したもの。独自のデータマイニング技術により、LocatePlusはこのデータを分析し、個々の国民にセキュリティレーティングを付けている。情報はSSLで保護されており、この情報にアクセスするには、それぞれのBlackBerryをLocatePlusに登録しなくてはならない。

 ローガン国際空港を警備する警察官は、BlackBerry経由で、即座に2億人の米国民の詳細情報を格納したデータベースにアクセスできる。LocatePlusはセキュリティレーティングの決め方を正確には公表していないが、CEO(最高経営責任者)のジョン・ラトレラ氏は、生まれたときから米国に住んでいるかや居住のパターンなどの要因がレーティングを左右することがあると話している。同様に、情報が少ない人物や住所不定の人物にはフラグが付くかもしれないと同氏は説明する。

 ローガン国際空港は、9月11日の同時多発テロでハイジャックされた航空機4機のうち2機の出発港だったという不名誉を被って以来、将来のテロ攻撃を防止するための技術をいち早く採用してきた。

 手荷物検査システムに加え、同空港はここ数年で求職者の身元を確認する文書認証システムを導入した。また、ほかにもバイオメトリクス認証システム、熱探知カメラなど多数の技術をテストしていると、同空港を運営するマサチューセッツ港湾局は述べている。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.