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» 2004年09月09日 15時52分 公開

Intel、次世代モバイルプラットフォーム「Napa」をアナウンス

IDF Fall 2004の2日目、チャンドラシーカ副社長は基調講演でモバイル向け技術を集中的に紹介した。「Centrino」に続いて2005年に「Sonoma」、そしてその先には「Napa」が控えているという。

[本田雅一,ITmedia]

 Intelは来年、現行のモバイル向け最新プロセッサDothan用の新しいチップセット「Alviso」と、Dothanと新しい無線LANチップを組み合わせた「Sonoma」というプラットフォームを第1四半期にローンチする。AlvisoはPCI Express、HD Audioなどもサポートしており、現行のCentrinoプラットフォームを一段上に引き上げる。無線LANチップは、8月に発表されたIEEE 802.11a/b/gをサポートする新しいIntel PRO/Wireless。チップセット内蔵グラフィックスの3Dパフォーマンスが大幅に引き上げられるほか、グラフィックスコアの消費電力、省電力型液晶パネルの消費電力を共に引き下げる。

 IDF Fall 2004で基調講演を行ったモバイルプラットフォームグループ事業部長兼副社長のアナンド・チャンドラシーカ氏によると、Sonomaプラットフォームをもとに開発されている製品は125種類に上るという。消費電力は、すべてのオプションを有効にすると最大で従来機よりも3ワット引き下げることが可能という。

 Sonomaはまた、モバイルPCのプラットフォームとしては、最後のシングルコアプロセッサを採用したものになる見込みだ。なぜならSonomaの次に用意されている次世代のモバイルPCプラットフォーム「Napa」は、デュアルコアアーキテクチャを採用する「Yonah」を採用するためだ。

 YonahはIntelが来年立ち上げを予定している65ナノメートルプロセスを基礎に設計されている。デスクトップPC向けプロセッサは、来年登場するデュアルコアの時点でも90ナノメートルプロセスとなるため、Yonahが65ナノメートルプロセスを採用する最初の製品になる。

Yonahのダイ画像 公開されたデュアルコアプロセッサYonahのダイ画像

 単位電力あたりのパフォーマンスをさらに改善し、仮想化技術「Vanderpool Technology」、セキュリティ技術「LaGrande Technology」をサポートする新規設計のプロセッサコアを2つ、同一のダイに統合する。もちろん、現行のPentium M(Dothan)以上に省電力設計が徹底されており、使用されないユニットの省電力も徹底される。このため、同一処理を行う時の消費電力は、シングルコアを下回る。

 Yonahと組み合わされるチップセットはグラフィック機能を内蔵した「Calistoga」と「ICH7-M」。Calistogaでは、Alvisoよりも優れたグラフィックス機能とメディア再生機能が提供される。ICH7-Mは最高6チャネルのPCI Expressポートを持ち、より進んだ省電力機能を備えるI/Oコントローラだ。

 さらに「Golan」という次世代無線技術をサポートした無線LANモジュールも提供される。mini-PCIよりも小さなフォームファクタ(おそらくPCI Express対応の内蔵モジュール)となる。次世代無線技術とは、現在標準化策定中のIEEE 802.11n(802.11b/gの上位互換で実効スループットが100Mbps程度)の事だと考えられ、最新のセキュリティ機能が搭載されるほか、異なるサブネット間を再ログインなしに移動できるハンズフリーローミングを実現している。

Express Cardのサンプル SonomaからサポートされるExpress Cardのサンプル。多種多様なカードが用意される

 最新のワイヤレスセキュリティ機能とはIEEE 802.11iのこと。802.11iはデバイス同士の認証が行われるため、未知の無線LANモジュールからのアクセスを検出することができる。このため、無線LANを通じてイントラネットに侵入することはできない。また、デバイスが登録されている場合でも、PC上で認証されていないソフトウェア、たとえばスパイウェアが動作していると無線LANが利用できなくなる。

 これは無線LANへの接続時、アクセスポイント側からその端末に割り当てられたセキュリティポリシーがクライアントに送信され、クライアントの状態がそのポリシーに合致しているかどうかを調べてから無線LANの利用が許可される仕組みになっているためだ。上記の例で言えば、スパイウェアを接続に利用しようとしているPCから取り除けばアクセスが許可される。

 また、Napaプラットフォームに含まれているわけではないが、2005〜2006年にはバッテリ駆動時間を延ばすいくつかの技術要素が揃う。

 まず14.1インチで3ワットの低消費電力を実現した液晶パネル(これまでのIDFで何度か紹介されていた)が、2005年始めから各液晶パネルベンダーから出荷される。また、「Intel Display Power Saving Technology 2」という、バックライトの明るさと液晶パネルのガンマを同時に制御することで、見た目をほとんど変えることなくバックライトの光量を絞る技術も2005年には使われるようになる見込みだ。

 さらに、Intel Capital(Intelの投資部門)が以前から投資を行ってきた2つのバッテリ技術に、実用化のめどがついた。一つは日本のパイオニクスが開発中の、リチウムポリマーバッテリの陽極、陰極、両素材を別のものに変更した新型バッテリ。もう一つはZinc Matrix Powerが開発したZinc-Alkバッテリだ。いずれも2006年の実用化が見込まれており、エネルギー密度は現在の約2倍程度になる。これによりバッテリ容量は100ワット・時程度にまで向上する(現在、一般的な6セルバッテリは48ワット時程度)。

新型バッテリ 左がパイオニクスの新リチウムポリマーバッテリ、右がZinc-Alkバッテリ

 チャンドラシーカ氏は「多くのユーザーが8時間以上のバッテリ持続時間を望んでいる。2010年までにこれを実現することが我々の目標だ」と話した。

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