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Airbus、MS支持の嘆願書取り下げ

» 2004年09月25日 07時21分 公開
[IDG Japan]
IDG

 欧州委員会がMicrosoftの独禁法違反を認定したことについて、問題に介入する嘆願書を出していた米航空機メーカーAirbusがこの嘆願を取り下げた。Microsoft担当者が9月24日認めた。MicrosoftはEU裁定に対して不服申し立てを行っており、1週間後に審問が予定されている。

 この問題を担当している裁判所にAirbusが嘆願書を提出したことは、先週の報道で明らかになった。嘆願書で同社は、欧州委員会が下した独禁法裁定で特定の項目について明確化を求め、この裁定によって自社の事業慣行が妨げられる可能性があるとの懸念を表明。細部の公表は控えているが、航空機の座席や調理室といった特定の部品の調達先を選定できなくなることを恐れていると報じられている。

 Airbusの介入は、今回の独禁法裁定がさまざまな業界の企業にとって幅広い影響を及ぼしかねないとの証拠を提供、Microsoftの主張を後押しするものになると見られていた。

 しかしこの嘆願書は取り下げられ、そのタイミングに懐疑的な目が向けられている。

 審問が翌週に迫ったこの時期になってAirbusがこのような決断をしたのは「異例の展開」だと、欧州Microsoftのホレーショ・グティエレス氏は話す。

 「ほかの業界の大手各社が当社の言い分に同情的でありながら、EU裁定が及ぼすマイナスの結果について進んで説明するのになぜ二の足を踏んでいるのかを、今回の動きは物語っているかもしれない」とグティエレス氏。

  Wall Street Journal紙が9月24日報じたところでは、EUの委員少なくとも1人が最近Airbusに電話をかけてMicrosoft支持を取り下げるよう説得に当たった。EUがAirbusとライバルの米Boeingとの間で調整に当たっている最中に嘆願書の件が明るみに出たことが、Airbusの怒りに触れたという。

 欧州委員会の広報官は24日、委員がAirbusに対して嘆願書を取り下げるよう圧力をかけたことはないと否定した。

 「Airbusは大手であり、自社がすべきことは自社で決める。圧力をかけたなどという報道は馬鹿げている」とアメリア・トーレス氏は話している。

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