マイクロソフトによるVisioの活用事例も提示された。壇上に立ったのは、マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 オフィス製品部 プロダクトマネージャーの西岡奈穂子氏。
西岡氏から提示された活用事例は三つ。ネットワーク管理におけるネットワーク図の作成、Webコンテンツ管理におけるサイトマップ作成、そしてアプリケーション開発における仕様書作成というシナリオである。どれも現場の担当者から見れば、複雑で面倒な作業になることを確信するものばかりだ。
こうした作業の労力を軽減できることがVisioを使うメリットである。各事例で共通するのは、ドラッグ&ドロップによる高い操作性と豊富なテンプレートおよびシェイプ(部品)、カスタムプロパティによる情報入力のたやすさ、そしてWeb発行による強力な共有機能だ。
ネットワーク図の作成においては、来場者に強力なツールが無償配布された。それが、Microsoft Office Visio 2003 Resource Kit for IT ProfessionalsというCD-ROMである。その中に含まれる「LAN MapShot」というソフトウェアは、ネットワークを自動的に探索してネットワーク図を作成してくれる。
さらにこのCD-ROMには、実際のネットワーク機器を2万8,000点も部品化して収めた「NetZoomステンシル」も収録されている。一つ一つのステンシルにはブランドロゴなども緻密に描かれており、リアルでクオリティの高いネットワーク図作成の一助になるだろう。
このほかデータベースと連携した自動作図や、入力したカスタムプロパティの内容をExcelにエクスポートするデモなども行われた。そしてセッション最後に西岡氏が紹介したのが、10月6〜8日の3日間で開催されるVisio 2003技術者向けトレーニング。興味のある方はぜひ参加していただきたい。
セミナー後半では、各パートナーからのソリューションが紹介された。
フルークネットワークスは、CD-ROMに収録されている「LAN MapShot」の開発元。同社のフィールドマーケティング 矢島和広氏からは、その上位製品ソリューションとなる「OptiView コンソール」が紹介された。ネットワーク図の自動作成だけでなく、パフォーマンスなどの基礎データを取ることで保守・監視・管理にまで利用できる。
タクトシステムズ 技術部 ジェネラルマネージャーの高田敬三氏は、メインフレーム上でバッチ処理を行う際に利用するJCL(Job Control Language)から、ドキュメントであるジョブフロー図を自動生成する「VisiJFMain」を披露した。「VisiJFMain」はVisioのCOMアドインとして動作する。
基調講演でパネラーを務めたマイスターの野澤宇一郎氏は、IDC(Internet Data Center)管理について、Visioを利用した事例とツールの紹介を行った。IT設備管理に焦点を絞ったファシリティマネジメント(FM)システムの「FIS for Network」は、レイアウト図や系統図などの図面上の設備にその機器情報をリンクさせ、ネットワーク機器をビジュアルに管理するソフトウェアシステム。
参加者のおよそ半数が実際にVisioを利用しているユーザーということで、本セミナーに求められたのはVisioをどのように業務に適用し、役立てることができるかといったテーマだったように思う。すべての聴講を終えた参加者は、どのように感じていただろうか。
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