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MSがNovell/CCIAと和解。米国では7年ごしの独禁法訴訟が事実上終結

» 2004年11月09日 08時06分 公開
[ITmedia]

 米Microsoftは11月8日、独禁法問題に関連してNovellおよび業界団体のComputer & Communications Industry Association (CCIA)との間で和解合意に達したと発表した。MicrosoftからNovellに5億3600万ドルを支払い、NetWare製品をめぐる現時点での独禁法問題を解決。一方、米国や欧州で一貫して反Microsoftの姿勢を取ってきたCCIAは米連邦最高裁への上訴を見送り、これでMicrosoft対米司法省の独禁法訴訟はようやく最終決着を迎えることになる。

 Novellとの間では、NetWareのほかNovellが現在保有している全製品とビジネスに関連した現時点での独禁法問題について和解合意が成立。Novellは米国内でのこれら製品に関する独禁法違反の訴えを取り下げるとともに、欧州委員会(EC)による是正命令を不服としてMicrosoftが争っている裁判でも、今後EC側に付かないことに同意した。Microsoft側もNetWareに関する反訴を取り下げる。

 ただ、1994年6月から1996年3月にかけてのNovellのWordPerfect所有権に関する独禁法問題では合意に至らず、Novellは同日、数日中にユタ州の連邦地裁にMicrosoftを提訴すると発表。1990年代半ばにWordPerfect事業で損害を被ったと主張して、損害賠償を請求する方針だ。

 CCIAは、米国内では司法省とMicrosoftとの和解合意に最後まで抵抗、マサチューセッツ州などとともに、より厳しい是正措置を求めていた業界団体。今回の和解に基づき、この問題で米連邦最高裁への上訴を見送ることに同意した。さらに、欧州でも今後はEC側に付かず、Windows XPに関連して昨年2月に行ったECへの訴えも取り下げる。

 和解の一環としてMicrosoftはCCIAに加盟、賠償金として一定の訴訟関連費用を負担するとともに、今後のCCIA活動の支援に当たる。和解金額は公表していない。

 Microsoftによれば、米独禁法訴訟の是正措置をめぐる問題では、マサチューセッツ州も最高裁に上訴しない意向を示しており、CCIAとの和解によって、7年間に及んだ米国での独禁法訴訟が事実上終結を迎えると解説している。

 MicrosoftはNovellとの和解を受けて、10月21日に発表した同社第1四半期(7〜9月期)決算に、和解関連の3億5900万ドル(1株当たり3セント)を計上。純利益を25億3000万ドル(1株当たり23セント)に修正した。

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