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» 2004年11月09日 19時26分 UPDATE

スーパーコンピュータ向けWindowsに「飛ばされた」Itanium

来年登場の高性能コンピューティング向けWindowsは、最初のリリースではItanium 2を飛ばし、x86-64プロセッサだけをサポートする。「量が売れない」ことがその理由だ。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは来年投入する高性能コンピューティング(HPC)向けWindows Serverで、初めは64ビット拡張機能を持つx86プロセッサしかサポートしない予定だ。IntelのItanium 2のサポートは後で追加されるが、そのスケジュールは決まっていない。

 HPCの分野は現在、Itaniumなどを搭載した64ビットシステムで動作するUNIXとLinuxによって占められている。Microsoftはこの市場に食い込もうとしているが、ハイエンドIntelプロセッサは、ターゲット顧客が研究・企業環境に導入する小規模クラスタには高価すぎ、強力すぎると感じている。

 同社は今週ピッツバーグで開催のSuperComputingカンファレンスで、「Windows Server Cluster Edition」(旧称「HPC Edition」)に関する詳細を披露している。

 「最初のエディションではItanium 2をサポートしない」とMicrosoftの上級プロダクトマネジャー、グレッグ・ランキッチ氏は11月8日、電話取材の中で語った。「当社のターゲット市場である部門単位のクラスタから考えると、Itanium 2は予算、そして必要な処理能力の点でリーチから外れる」

 Itanium 2サポートはWindows Server 2003 Compute Cluster Editionの2番目のリリースで追加される予定だが、そのリリース日は決まっていないとランキッチ氏。

 Microsoftは当面Itaniumのサポートを見送ることにしたものの、Hewlett-Packard(HP)は同プロセッサを推進しているとHPのHPC部門製品マーケティングマネジャー、エド・ターケル氏は話す。「われわれは、Microsoftにできる限り早急にItaniumをサポートするよう勧めている」

 HPは現在、IntegrityサーバシリーズでItanium 2搭載のHPCシステムを販売し、一方ではIntelのXeonとAMDのOpteronをベースにしたシステムも提供している。

 64ビット拡張機能をAMD、Intelの標準的なx86命令セットに加えると、システムが1クロック当たりに処理できるデータが増え、メモリへのアクセスも改善し、処理能力は高まる。

 HPはMicrosoftが最初に64ビット拡張x86プロセッサをサポートすることにした理由を理解している――最も販売量が多い分野だからだとターケル氏。「だが当社の観点では、x86-64サイドとItanium 2サイドの両方で大きな成長が見られる」

 Microsoftは明らかに販売量の点で市場のスイートスポットを狙っていると指摘するのは、Insight 64の主席アナリスト、ネイサン・ブルックウッド氏。「ソフト市場で量が売れる分野にMicrosoftは精通している。HPC事業では、2ウェイ・4ウェイクラスタが量が売れる分野であり、Itanium(2)はそこでは大きな力を発揮しない」

 HPCは、Microsoftが導入基盤という利点を活かせない数少ない分野の1つ。「得られるだけのHPC売上を獲得しようと、同社は必死に戦うだろう」とブルックウッド氏。

 Windows Server 2003 Compute Cluster Editionの最初のβ版は年内にリリース予定だったが、2005年3〜4月に延期された。製品版のリリース予定はこれまでと変わらず2005年後半だとランキッチ氏は語る。

 このエディション向けのソフト開発キット(SDK)は今週後半か来週に登場予定で、スケジューラやMPI(Message Passing Interface)プロトコルの実装を含むという。

 Microsoftは標準的なHPCエディションの開発で、システム管理者やソフト開発者の作業を簡易化し、Windowsクラスタの構築を容易にしたい考え。同社はHP、IBM、CrayなどLinux、UNIXシステムを販売するサーバ企業のほか、Xserve G5ベースのHPCシステムを販売するApple Computerとも戦うことになる。

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