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米企業改革法の締め切り日、3割は対応できず?

» 2004年11月16日 09時19分 公開
[ITmedia]

 11月15日は、米国の公開企業が米企業改革法に定められた財務報告義務に対応する最初の締め切り日。だがコンサルティング会社のMcKenna Partnersによると、米公開企業の3分の1で、まだ対応準備が整っていないという。

 米国では、EnronやWorldComの会計不祥事を受けて企業改革法が制定された。IT各社は、企業が同法に準じた会計報告を行うためのソフトやツールを提供することで、米法人市場におけるIT需要喚起の一助にしようとしている。

 McKennaは15日発行のプレスリリースで、「米国の公開企業の30%以上は、15日の締め切りに間に合わず、不利な選択を迫られることになるだろう」としている。特に、ITのガバナンスとコントロール、各国事業所から上がってくる財務報告の完全性確認が、最後まで課題として残されているという。

 「顧客企業もサービスベンダーも、特に米国外での技術作業面で、リソース不足に悩まされている」とMcKennaのフランシーヌ・マッケンナ社長。同氏によると、米国企業の多くはこれまで、米国外の各国事業所のITの部分を、外部監査の範囲に含めてこなかった。

 米公開企業会計監督委員会のウィリアム・マクドナフ会長は先日、締め切りを守れない企業は、株主や一般大衆にそのことを知らせる準備をすべきだと発言している。

 米AMR Researchが12日発表した予測では、米企業は2005年、米企業改革法準拠のために58億ドルを出費する見通し。

 AMRは企業200社以上を対象に同法準拠のための予算について聞いた。当初、同法遵守のための出費は継続的でない単発投資と考えられていたが、企業の36%が予算を増額、52%が現在と同レベルの投資を続ける計画で、予算を減額するとの回答は12%にとどまったという。

 15日は米企業改革法の404条に公開企業が準ずる最初の締め切り日。404条では、企業に対し、財務報告に直接的・実質的に関連するビジネスプロセスの文書化、コントロール、安全化を求めている。

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