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Cellワークステーション1号機が稼働、1ラックで16TFLOPS

» 2004年11月29日 16時16分 公開
[ITmedia]

 米IBMとソニー、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は11月29日、「Cell」プロセッサを搭載したワークステーションの最初の試作機が稼働を始めたと発表した。

 同日に概要を公表したCell(関連記事参照)を利用した最初のアプリケーションとなる。同プロセッサの高速処理能力を活かし、ワークステーションは1ラックで16TFLOPSの処理能力を達成する見通しという。

 Cellはマルチコア/マルチスレッド化されており、単体で並列処理能力を持つ上、同プロセッサのクラスターも巨大並列処理ユニットとして機能。複数クラスターを同時に並列動作させたり、演算の種類ごとに分散するといった柔軟性も備えるという。

 複雑な物理シミュレーション用データを処理したり、CGアニメ映画用3Dキャラクターをリアルタイムにコントロールするなど、高速並列処理を活かすさまざまなアプリケーションが実現できるとしている。クリエイティブ用途に加え、科学技術計算用のスーパーコンピュータなどへの適用も視野に入れている。

 SCEIの茶谷公之CTOは「Cellベースのワークステーションはデジタルコンテンツ制作環境を根幹から変えてしまうだろう。映画、TV番組から次世代PlayStationまで、あらゆるデジタルコンテンツ開発で計り知れない能力を発揮する」とコメントしている。

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