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読み取り部10分の1の指紋センサー、NECとキヤノンが開発

» 2004年12月01日 14時31分 公開
[ITmedia]

 NECは12月1日、読み取り部の面積を従来製品の10分の1にした指紋センサー「ライン型指紋センサ」を、キヤノンと共同で開発したと発表した。

 読み取り方式に「ライン型」を採用したことで、読み取り部のサイズを3(高さ)×15.15(幅)ミリに小型化し、製造コストも削減した。ライン型は、FAXの原稿読み取りのように、センサー上で指を動かして指紋を読み取り、読み取った画像をつなぎあわせる方式。

 全体のサイズは10(高さ)×27(幅)×2(奥行き)ミリ。PDAやUSBメモリなど小型機器に組み込めるサイズにおさめた。

 独自の照合アルゴリズム「特徴点とリレーション方式」を採用し、他人許容率は従来製品と同等の0.00001%(1000万分の1)以下に抑えた。

 透過光を利用した独自の「指内散乱光直接読取方式」を採用した(関連記事参照)。乾燥指や湿潤指など読み取りにくい指でも、鮮明に読み取ることができるという。衝撃や外乱光に強く、屋外でも利用可能だ。

 センサー部の読み取り解像度は800dpi。隆線ピッチが狭い、子どもや女性の細い指でも読み取れるとしている。

 同社は同センサーを搭載した商品の出荷を来年度第1四半期に開始し、年間5万台の販売を見込む。

 同センサーは、12月1−3日の「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2004」(東京ビッグサイト)に出展する。

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