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ナノセンサーは2012年、172億ドルの市場に――米調査会社予測

» 2004年12月08日 12時55分 公開
[ITmedia]

 ナノテクノロジー市場分析会社の米NanoMarketsが12月7日発表した市場予測によると、ナノテクノロジーを用いて設計・構築されるセンサーの世界市場は、2008年に27億ドル、2012年には172億ドルに達する見通しだ。

 ナノセンサーアレイは既に、Dow Corning、Samsung、Boeing、Lockheed Martin、IBM、Motorola、Agilentなどの大手や、Nanomix、Ambriなどの新興企業が開発を進めている。NanoMarketsでは、ナノセンサーの今後の重要用途として、医療、軍事・国土防衛、制御・ロボット、ネットワーキング・通信、環境監視の各分野を挙げている。

 ナノセンサーでは、分子あるいは原子レベルの検知が可能になることから、がんや心臓病などの兆候発見に役立つ。NanoMarketsは、バイオ医療ナノセンサーは、2008年に8億ドル、2012年には12億ドルの市場を形成すると予測している。

 ナノセンサーはまた、生物兵器や放射性物質などの検知にも利用できる。NanoMarketsの予測では、軍事・国土防衛分野で使われるナノセンサーは、2008年に8億2700万ドル、2012年には39億ドルの市場を形成する見通し。

 さらに、ナノテクノロジーによって工業用センサーの製造コストが大幅削減され、運輸面でのセンサー利用が広がって、最終的に航空会社や自動車メーカーが恩恵を受けるだろうという。航空宇宙分野でのナノセンサー利用は、2008年に2億1400万ドル、2012年には21億ドルの規模となる見通し。また自動車分野での利用は、2008年が1億3300万ドル、2012年に15億ドルの規模になると予想されている。

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