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富士通、ユビキタス研究でPARCと提携

» 2004年12月14日 11時46分 公開
[IDG Japan]
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 GUIやイーサネット、レーザー印刷技術などのパイオニアとして知られる米Xeroxのパロアルト研究所(PARC)が、富士通との間で複数年にわたる研究開発契約を結んだことを12月14日発表する。

 PARCのコンピュータサイエンス研究室マネジャー、テレサ・ラント氏によると、両社はどこでも簡単にコンピューティング機器を利用できるようにする「ユビキタスコンピューティング」技術の開発に当たる。まずは、在宅患者の状態について情報を収集し、医師に送信できる、医療用センサーネットワークなどに取り組むという。

 PARCがこのような商業上の契約を結ぶのは、Xeroxが2002年に同研究所をスピンオフしてから初めてのことだとラント氏は説明する。これは、研究出資についての合意であり、当初の研究期間は2005年1月から3年間だという。

 「当研究所は富士通のために研究を行う。だが研究成果の所有権は両社共有となる」とラント氏。合意金額は公表していない。

 ラント氏は、「当研究所は製品を作る会社ではないので、富士通のように、製品を市場に出すことができるパートナーが必要だ」とし、PARCが富士通と手を組む理由は、富士通がユビキタスコンピューティング技術については初期の段階にあるからだと語った。研究の大半はカリフォルニア州パロアルトの施設で行われ、ユビキタス技術の製品への適用のため富士通と密に協力するという。

 PARCは1970年にXeroxの社内研究所として創設されたが、他社の製品にも使われる基本的技術の多くを開発、近代コンピューティングの基礎を築いた。Xeroxは2002年、PARCを独立子会社としてスピンオフしている。

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